この週末は2月の頭からリスケした天狗尾根の予定だったが、今回も2日目の天候が芳しくなく予備日もないことから、前夜入り日帰りでキメられるルートに転進。
2023年1月の中央稜、2024年2月の南稜(P3ルンゼで小規模な雪崩に遭遇)に続き、いよいよ北稜への挑戦となった。
取付きでまさかの1.5時間待ちとなり、登攀中も30分以上は待ち時間が発生してしまった。しかし、春のように暖かく無風快晴のなか、周囲の景色を楽しみながら初めての積雪期登攀を学ぶことができた。
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前夜は茅野駅近くの古民家ゲストハウス「浮木(ふもく)」に宿泊。中央稜の時も泊まったけれど、ここは最高だな~。朝4時15分にタクシーを予約し、美濃戸口に向かった。
まだ暗い中ヘッドランプでスタートし、八ヶ岳山荘でビーコンチェック。南沢経由で、行者小屋にてアイゼン、ハーネス、ヘルメットおよびガチャ類を装着した。
今回のこだわりの一つは、北稜の尾根の末端から登ること。中岳沢に入りすぎずに、適当なところで急登の尾根に取り付く。急登で汗が吹き出し、時折深く踏み抜くものの、数日前と思われるトレースのおかげで、順調に高度を稼いだ。
しっかりとダガーポジションで登る。これまで持ち方を間違えていたかもしれない。シャフトに人差し指を掛けずに、ブレード部分のみを握って雪面に刺し込む。
取付き手前で、左の谷から数名が合流。中岳沢と文三郎の分岐から上がってきたのだろう。岩場には沢山のひとがいて大賑わい!
こりゃ待ちそうだ~ 待機開始11:30。
後から分かったことだが、前にいたのは全員同パーティで台湾からのガイド山行9名組だった。
13:00にようやく登り始めることができた。今回は松本さんにオールリードをお願いし、我々が交代でセカンド、サードで登った。
1ピッチ目、ペツルボルトあり。その右下に10センチ幅くらいのスタンス。ハイステップで右足前爪をかけてから、その横に左足前爪もかけると良い。アイゼン登攀は初めてなので、落ち着いて登るようにした。
途中、手掛かりの岩もなく草付きに薄く雪が載っているようなところも。ピッケルは背面に差し、アイゼンの前爪と両手をうまく使うようにした。
最終ピッチ基部でのビレイの様子。ペツルボルトの支点に残置スリング(写真奥)、手前にはハーケン。
恐れていた短いリッジ。雪面から残置スリングが出ていて、そこに中間ランナーをかけられる。
ロープで繋がれているのでビビらず通過できたが、リードせよと言われたらまだまだだなぁ。
最終ピッチ上部には支点になるような岩場がなく、ブーツアックスビレイで引き上げてもらっていた。
山頂にて集合写真!
3年連続、異なる尾根から登頂できて実に嬉しい。
ますます阿弥陀岳が好きになってしまった。今度来る時にはリードできるように、経験を積んでいこう。
<行程>
美濃戸口5:10~美濃戸山荘6:25~行者小屋09:00~北稜取付11:30-13:00~阿弥陀岳山頂15:10~御小屋山16:45~美濃戸口17:45