八ヶ岳・赤岳(文三郎尾根)

  • 期間 2025-01-11~2025-01-12
  • メンバー L秋永(42期)、橋本(44期)、池松(44期)
  • 記録 秋永

応用ステップの阿弥陀中央稜がリスケになり、中村さん交え4名で焼岳南峰を企画。しかし、直前の数日間の寒波による大量降雪で、雪崩のリスクが高まった。前々日(木曜日)のヤマテン(山の天気予報)では「前日までの大雪による雪崩に厳重な警戒が必要」。それが決め手となって焼岳は見送ることに。そのタイミングで思いつくのは、もう八ヶ岳の一般道しかない。池松さんは前回の天狗岳(⇒ 2024/12/29~30 八ヶ岳・天狗岳)が初の雪山登頂だった。順当にステップアップしていきたいと思い、転進の転進の企画は文三郎ピストンとなった。

<今回の目的>
・厳冬期のピークハント
・積雪期のテント泊の経験を積む

私自身にとっても、前回の赤岳は2023年3月(⇒ 2023/3/19 八ヶ岳・赤岳(文三郎尾根))で、1月という厳冬期に登頂を目指すのは初めてだ。また、橋本さんは意外にも雪山テントが初めてとのことで。直前の計画変更ではありながら3名それぞれのチャレンジを企画できて良かった。

■1/11(土)

さて、美濃戸口よりスタート。初日は予報通りの青空。北沢を進むと白銀の世界が美しい。看護師の橋本さんは赤岳鉱泉の診療所に入ることがあり、先週もこの道を歩いたばかりだ。今日はだいぶ歩きやすいとのこと。八ヶ岳南部は全体的に20cm未満の積雪深(気象庁データ)で、丸く滑る岩を柔らかい新雪が程よく覆ってくれているのがありがたい。


昨年の大同心稜(ルンゼ)(⇒ 2024/1/13~1/14 八ヶ岳・大同心稜)のことも思い出し、テンションが上がってきた。


鉱泉に着くとテントがびっしり。我々同様に北アルプスなどから転じてきた人も多いかもしれない。夜には隣のテントが22時過ぎまで大声で騒いでおり、ついつい注意をしてしまった。年末のテント泊は冷え込みシュラフの中に顔をうずめていないと辛いほどだったが、それに比べると今回は暖かかった。そうそう、秋に買ったこの3テンを3人で使うのは初めてだっけ。

■1/12(日)
翌朝は4時起き、6時出発。ビーコンチェックをし、ヘッドランプでゆっくりと行者小屋に向かった。そこからは橋本さんにトップをお願いしてみた。ペースも歩行も安定感があって心強い。結局山頂まで率いてくれた。
尾根に乗ると、右後ろには阿弥陀北稜が良く見える。さらに高度を上げて振り返るたびに西側の景色に感動した。遠く北アルプスまで。予報よりも天候が好い。空はなんとなく青く、太陽の暖かさを感じる。それでも手元の温度計はマイナス16度で、バラクラバ無しには呼吸が辛い。汗冷えを避けてゆっくり登っているためか、手足の先もかじかみやすかった。


通称、マムート階段。急登の後は2022年4月に雪崩遭難事故が発生したトラバース。雪の下にこんな階段や手すりがあったとは。


中岳分岐を過ぎると岩が出てくる。アイゼンをしっかり置きながらルンゼを詰める。キレット分岐からはさらに緊張感が高まる。一箇所だけヒヤッとしたのは、間違ったトレースを追ってしまい転落防止の緑ロープを潜って這い上がったところ。またそのすぐ上の岩場はハイステップでよじ登り、下山時にはバックステップで降りる必要があった。


一番心配していた山頂直下のハシゴは丸出しになっており、安定して通過することができた。


09:30、無事に登頂!喜びを分かち合った。北峰の方に移動し休憩。横岳方面にトレースや人の影を発見。いずれはあちらにも挑戦したい。


下山時には予報通り雲が増え、あっという間に展望が無くなった。雪もチラつくなか下山を急ぐ。赤岳主稜に取り付くクライマー達(黄色い丸)。天候が許せばずっと眺めていたいほどだ。

鉱泉でテントを撤収したのち、診療所に入っている知り合いの国際山岳看護師に挨拶をし、予定よりも早く下山した。

<行程>
1/11 美濃戸口11:20~赤岳山荘12:10~堰堤広場13:15~赤岳鉱泉14:30(幕営)
1/12 赤岳鉱泉6:10~行者小屋6:50~中岳分岐8:40~赤岳山頂9:30~行者小屋11:10~赤岳鉱泉11:45-12:45~美濃戸口14:50

<所感>
○橋本
睡眠時の寒さと行動中の冷えが心配でした。結果は天気が味方をしてくれたお陰でいずれも大丈夫でした。夜は衣類を着込み、温かい鍋をつつき、3人の赤外線効果で寒さを感じることなく休めました。行動中は滝汗をかかないようゆっくりペースで行動。意識的に手足の指先をぐーぱーと動かして末端の血流を促し凍傷を防ぐ。この効果で冷えを感じることは最小限に抑えられたかなと思います。何より無事登頂することができ、またひとつ自信がつきました。
○池松
アイゼン・ピッケルワークなど今まで覚えたことを確認しながら登ることが出来た。ヘッドランプを忘れたこと、冷えたカイロを付けたまま登り足を冷やしてしまったことなど反省。もっと雪山の山行に慣れるよう経験を積んでいきたい。
○秋永
今回はとにかく雪の状態が良く、とても歩きやすかった。前回の赤岳(残雪期で、50cmの大量降雪直後)に比べれば、新雪が程よく岩の隙間を埋めてくれ、植生などアンカーがたくさん見えているので、不安感も少なかった。阿弥陀北稜や、赤岳主稜・南峰リッジのクライマーたちを観察できたのも刺激になる。地蔵尾根や横岳通過など、南八の基本ルートも一つずつ潰していきたい。

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