鷹ノ巣岩北稜

打田鍈一『続・薮岩魂』にも掲載された鷹ノ巣岩北稜であるが、あまり訪れる人がいないのかネットには情報が少ない。三段の滝駐車場は7時過ぎでいっぱいだったが、みな碧岩（みどりいわ）の方に向かう模様である。我々も元気に出発。

歩道を歩いてすぐの鉄の階段から川に降り、向こう側に渡る。そこからいきなりの急登！

手がかりも乏しく息を荒らげて登ると、岩の壁。ここはコケや土で滑りそうなので右を巻く。

しばらく行くとＰ１の取付き。難易度的には易しいがロープワーク練習も兼ねてマルチピッチ。
岩が脆い、土で滑る、大きな木も腐っていて折れるため頼りにならない。人が入らない山というのはこういうものなのか。

その後すぐにＰ２。頂上からは景色が良い。

クライムダウンもできるようだが、いまいち不明瞭なため懸垂下降で20ｍ下降。

少し先にＰ３があり、体感的にはここが一番悪かった。ピークは眺望なく藪の中である。Ｐ３に登った後、本峰まではコルを5つ越えるが、比較的穏やかな尾根を歩く。

最後の鷹ノ巣岩。取付きでマルチのセットをしていると隣の木にクマの爪跡を発見。

とりあえず全員大きな声で会話をしながら登る。

ピークについた！　ここも好展望。

すぐ近くに見えるのは碧岩か。

3人でのマルチピッチに慣れておらず、試行錯誤しながら慎重に登ったため予定よりも遅くなってしまった。ここからは下山だからいいか・・・と思っていたが、踏み跡が不明瞭かつ急で枯葉や腐った木で滑る。一度ロープを出し、登山道近くまで下りた時には暗くなっていた。周囲が見えないため慎重に沢筋を進んで登山道と合流し、駐車場に着いたのは18時30分だった。

全般的に踏み跡が無く The 薮岩！という感じで、時間的には遅くなってしまったが、大変楽しかった。ただ風が冷たくマルチピッチで待っている間は非常に寒かった。来月には地面が凍って登れなくなりそうだ。