西上州・大ナゲシ北稜

  • 期間 2017-11-12
  • メンバー L田中(35期)、SL小林功(32期)、保岡(32期)、鈴木百(25期)、宇田川(34期)
  • 記録 田中

今山行のメインイベント、藪岩魂ハイグレードルートでおなじみの大ナゲシ。
天気予報は晴れ。晴れ晴れした気分で快適なハイキングをと思いきやなぜか二日酔いのどんよりしたスタートになった。野栗沢から野栗沢諏訪山、小ナゲシ、大ナゲシ、赤岩峠から赤岩沢下山のルート。8~9時間コースで長い。自業自得でコンディションが最悪のなか、落ち葉の絨毯に急登、木登り、懸垂満載のコースに元気を取り戻した。
小林鑑定人から今期初の5ヤッホーの評価を受けた。

※ヤッホーとは山行の満足度を表す単位で5ヤッホーは最高レベルの充実さ

取付から野栗沢諏訪山、野栗沢諏訪山から標識七、標識七から小ナゲシ、小ナゲシから大ナゲシ、大ナゲシから赤岩峠経由ゲートの5つのエリアに分けて報告する。

1.取付まで
国道499沿いの「ビラせせらぎ」の脇を野栗沢沿いにさかのぼり、野栗沢キャンプ場を左手に見ながら高度を上げる。ほどなく、ガードレールが付いた立派な赤岩橋がみえ、手前の鎖のゲート脇に駐車。気がつかずに通過した「くりみ橋」まで100mくらい戻り、左岸から入山する。左岸は尾根をへつっていくような微かなトラバース道であり、右岸の方が太い道なので間違えやすい。
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取付のくりみ橋左岸から入山

2.取付からの野栗沢諏訪山 7:00-10:00 3時間
左岸をトラバースしていくと20分くらいで右手に石垣が見える。石垣の手前から九十九折れで支尾根に取付く。
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転進点の石垣

枯葉が堆積していてさらにその下にドングリがあるので滑りやい。バランスを崩して足に余計な力がかかる。30分の苦難の急登の後、支尾根に突き上げた。
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落ち葉の支尾根

支尾根を40分くらい行くと北からの主尾根に合流する。この間は急登と落ち葉の稜線歩き。
標識五を見落としたが六を発見後、1073m付近の懸垂点に出た。30mロープを2本つなぎ、下部がハングしているところを下降した。実際は15mくらいだった。
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懸垂下降する鈴木さん 

ここからは岩稜が続く。1150m付近で大岩稜があり、大きく右に巻く。
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大岩稜 

がれたルンゼ部分を登り、木登りに次ぐ木登りで野栗沢諏訪山に出た。朽ちた木製の祠が目印だ。
小林さんがご神体の銅鏡が落ちているのを発見し、祠に奉納した。ご利益がありますように。
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野栗沢諏訪山

3.野栗沢諏訪山から標識七 10:10-11:13 1時間
ここが一番苦戦した。野栗沢諏訪山の山頂から来た道を元に戻り、200mくらい下降して岩峰の下のヘリをトラーバースする。急斜面の下降のため、ロープを出し、ゴボウで下っていく。どのあたりまで巻くかがわからないので試行錯誤しながら5mくらいのルンゼを乗り越え、へつっていくとコルが見えてきて標識七を確認した。ほっとした。本来はもっと低い位置まで巻いたほうがよさそう。
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標識七を見たときはうれしかった

4.標識七から小ナゲシ 11:13-12:30 1時間強
標識七からは岩峰の尾根に沿って登る。小ナゲシ直下の岩峰は左寄りのへりの弱点を延々と木登りし、シャクナゲの枝につかまりながら30分くらい登ると九十九折れの踏み跡に出る。胸突き八丁で小ナゲシの西側に出るので少し歩いて山頂。
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小ナゲシ手前から大ナゲシ

5.小ナゲシから大ナゲシ 12:30-13:30 1時間
尾根沿いに東に進むとギャップに出る。
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藪の中の懸垂点

15mくらいの懸垂下降で一段降り、さらに急坂を2回ゴボウで下りると最低コルに出る。西から回り込んで100m登ると一般道に合流し、若干の岩登りで頂上に到達する。
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6.大ナゲシから赤岩峠経由ゲートまで 14:00-16:30 2時間半
一般道ということで油断していたら頂上直下に20mくらいの岩溝の下降があり、FIXを手掛かりにして下る。赤岩峠まで快適な登山道で一気に時間が稼げる。
赤岩峠からは九十九折れの下りで、高度を下げていき、徐々に沢筋に入り、渡渉を繰り返す。途中、踏み跡を失いそうになるが木についた赤い丸やテープで道筋を判断しながら進む。切り立った源頭の高巻きがあったり、暗くなったら危険なルートになるだろう。トラロープで堰堤に下り、ゲートに続く道に出た。

<メンバー所感>
■鈴木
大ナゲシに北稜から登ったのははじめて。
木登りあり、岩登りあり、ルンゼ登りあり、藪こぎあり、空中懸垂あり、噂通りの5ヤッホールートだった。
目印テープがあまりないのもうれしい。核心は諏訪山からの下降。分かってしまえばきれいなラインなんだが、結構楽しく探したよ!

■保岡
読図要素たっぷりの山行だと思います。今回の反省は野栗沢諏訪山からのトラバースを手間取ってしまい下山が日没まぎわになってしまった事です。スタートが1時間遅れてしまったのが最後まで響いた山行でした。

■小林
大ナゲシは期待通り読図・藪こぎ・懸垂下降と満足な山行でした。特に印象に残ったのは野栗沢諏訪山からのトラバースの難しさ。次は百合子さんオススメの「相馬岳北陵」をトライしたい!!
今回も良い思い出ができました、皆さんありがとう。

■宇田川
読図にルートファインディング。相談しながら道を選んで正解だったり時々戻ったり楽しい山行でした。
以前から行ってみたいルートの一つだったので天候にも恵まれ大満足でした。

■田中
好天に恵まれた素敵な山行だった。地図読み、地形読みでどの道を進むか行きつ戻りつ弱点を探しながらの道行に楽しさがあった。良い山行だった。

<行程>
くりみ橋登山口7:00~野栗沢諏訪山10:00~標識七11:13~小ナゲシ12:30~大ナゲシ13:30~ゲート16:30

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