11月に入っても気温が高く虫の群がってくる中、奥武蔵・天覧山の岩場にてレスキューロープワークについて訓練を実施しました。
【1】テープスリングによる簡易ハーネス作成
シートベンドの結びを理解し、3種の簡易ハーネスの結び方を確認していきます。
・チェストハーネス(120cmステープスリング)
・シットハーネス(120cmステープスリング)
・フルボディハーネス(180cmテープスリング)
支点に体重を預け、ハーネス荷重との比較を行いました。
実際に救助が必要な場合には、必要分のハーネスが無いことが殆どです。瞬時に、各種簡易ハーネスの結びを出来るようにしておく必要があると理解できます。
【2】1/3引上げシステムによる引上げ体験
沢登り中の事故を想定した滝上への引上げ訓練を、救助者・要救助者に分かれて、救助側の労力を確認していきます。
支点箇所に変形D型カラビナを設置し、マッシャー結びにてオートブロック。折り返し地点に同様のシステムを構築し、引き上げを行います。
自身の立ち位置で、力加減が大きく変わっていくことを実感しました。システム構築の理解に留まらず、実体験をする今回の趣旨を一番感じられた部分だったかもしれません。
※基本のシステムを学びましたが、結びの反転を防ぐために、支点箇所のカラビナを2種にする方法やクイックドローを併用する手法もある。
※写真はシステム構築の理解のため、リングボルトを利用。
【3】介助懸垂による負傷者の降ろし訓練
ルベルソを利用した懸垂下降システムを構築。自身より救助者を前方とする距離感に設定できるように、自身のPASの長さ確認しました。右利きの救助者は、左手で要救助者を支えながら懸垂下降をしていきます。不慣れな状態での下降のため、バランスを取るのに苦労しました。
【4】全体シミュレーション
研究生を筆頭に、上記で学んだことを集約し、要救助者を登山道まで背負い搬送で引き上げる想定のシミュレーションを行いました。
登山道までの足場、要救助者の状態、支点位置等の状況により必要な確保方法が異なること、あるいは、1/3引上げシステムを構築するのか、ムンターヒッチで滑落防止に努めるのかなど、時と場合により適切に判断する必要があることを実感しました。