熊倉沢

  • 期間 2023-08-05
  • メンバー L松本(17期)、秋永(42期)
  • 記録 秋永

南秋川熊倉沢は、奥多摩の熊倉山に続く短い沢。右俣と左俣があり、さらに右俣には右沢と左沢、東俣には西沢と東沢がある。
今回、右俣右沢を遡行、浅間峠からハセツネルートを逆向きに少し進み、熊倉山手前から左俣西沢下降という欲張りプランを企画した。気温が高く風が吹かないからか、終始さまざまな虫に付き纏われ、集中するのが難しかった。最後は雷雨で土砂降りになったが、幸いにも出合近くの仕事道に出たのでそこから足早に下山しバス停へ。滝ではちっとも濡れなかったのに、全身シャワーを浴びた沢修行であった。

本来この週末は、昨年からのつづら岩阿弥陀中央陵広沢寺に続いて、安永さんを交えた3人での企画であった。当初は鋸岳縦走など考えていたのだが、3泊ほど必要そう。釜の沢、万太郎谷など泊りの沢も考えたが夏合宿前には厳しいかもと、日帰りの沢で遡下降が両方練習できる熊倉沢を見つけたという経緯だ。しかし、安永さん体調不良のため、当日は2人になった。


武蔵五日市駅前に集合。この時間はバスが無いのでタクシーにて矢沢林道終点へ(約30分、6,200円)。


林道終点からほどなくして、軍刀利沢との分岐になる。右に進む。かつては車が通れたらしいが、荒廃が激しく草も伸びている。


装備を整え入渓。虫を払いながら進む。
右俣右沢を遡行に選んだ理由は、3箇所ほど練習に適した滝があるから。


1つめは18m程の陸軍滝だ。水が何段かに細かく落ちていく様子が美しい。左側を高巻きする。それなりに斜度があって結構緊張する。前回、小草平の遡行で細く枯れた根を折って肝を冷やしたことから、今回はとにかく生きた根っこ、太い樹を見つけて掴むように心がけた。また松本さんからは、高巻きは一般的に登り過ぎると落ち口を見失うので注意するようにとのこと。


2箇所目は、チャレンジしてみたかった4メートルCS滝。色々な記録を読んだが、初心者がフリーで乗っ越すのは難しそう… 結果としてビレイしてもらったが、ガイドブック通り残置ハーケンにヌンチャクをかけてA0を試してみた。細かいスタンスでのフリクションを信じないと、ロープ無しでは難しそうだ。


3箇所目、10m滝。悩むことなく松本さんにリードいただき、セカンドで登った。中間支点、ハーケン一つ。高度感はあるが足場が広く、ここはリードに挑戦できそう。次回への課題だ。


ほどなくして空が開けてきて、浅間峠に詰め上がった。風が吹いて心地よい! 秋のハセツネでまた来られますようにと心の中で祈って、沢靴のまま熊倉山方面へ歩みを進めた。松本さんはラバーシューズなので歩きやすそう。アップダウンに一喜一憂しながら40分ほどで熊倉山手前に到着した。

さて、尾根からの下降点の見極めが重要なのだが、今回、地形図を印刷し忘れてしまった。これは反省だ! 920m付近の広い谷から下降を開始した。


左俣西沢では、一箇所だけ練習を兼ねて懸垂下降した。太めの木の根に30mロープをかけ、滝の高巻きルートの方を下降。

そうこうしているうちに空が暗くなって、遠く雷の音と、ポツポツと予兆が。松本さんは朝のうちから、今日は降るよと何度も言っていた。私がなかなか下降のスピードが上がらずモタモタしているうちに、いよいよ雨が落ちてきて一気に土砂降りになった。
本当は後半の2連続の滝で懸垂下降を練習したかったが、高巻きして沢筋から離れる。そのまま仕事道に出たので、全身びしょ濡れになりながら出合まで駆け下りた。真夏で晴れるだろうと思い込んでいたが、午後の雷雨など細かくチェックしていなかったのを反省した。


入渓は予定より50分ほど遅れてしまったが、最終的に南郷バス停で着替えを済ませ、計画通り16:00発のバスに間に合い、なんとか帳尻合わせた感じである。山塾行きつけの音羽鮨で反省会をし、帰路についた。

<行程>
林道終点8:45~入渓点(沢装備準備)9:20-9:50~浅間峠12:00~熊倉山手前(920)12:40~出合15:00~南郷バス停15:35

<所感>
○松本
沢自体がコンパクトなので、下降と組み合わせる沢としては奥多摩では代表格だと思います。
ラバー底の沢靴にして2度目の遡行ですが、今のところフェルト底との差ははっきりとはわかりません。ただ、エッジには立ちやすいのかなと何となくそう感じました。
○秋永
下降は、岩・倒木・泥・落ち葉ミックスなところで足場を信じられず。もう少し慣れたらスピード上がるだろう。冬山にも通じるところがあるかもしれない。
それにしても終始虫に追われる一日は辛かった。ずーっと顔周りにハエ?ブヨ?アブ?飛び交っていて、淀んだ小滝にはヌカカがファンファン飛び交ってお祭りをしていた。右腕を5箇所刺されて痒みに耐える翌週。沢をやるからには虫にも慣れねば!

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