小田急線 渋沢駅集合。街は晴れ。
老若男女、たくさんの岳人がホームに降り立ち、次々とバスに乗りこんで行く。
飯干さんの車でアリアを聞きながら戸沢林道のデコボコ道を進む。
すれ違う車もほとんどなく、ザックを背負い歩いている人は男性1人。
9時過ぎごろ戸沢キャンプ場に着き、身支度を整える。
飯干さんはトレラン用の小さなザック、私は取り外しができる雨蓋の簡易ザックに必要最低限の超軽軽の装備で出発。
政次郎尾根への登山口は戸沢キャンプ場からすぐ。標識もあって分かりやすい。
政次郎尾根は眺望がまったく臨めない樹林帯。しかもなかなかの急登。木の根が出ているボコボコの道をジグザグに登る。
途中、犬と一緒に降りてくる男性とすれ違ったのと、
大倉から戸沢まで1時間半歩いてきた女性を追い抜いたくらいで
この尾根にいるのは4~5人くらいなのでは?と思うくらいに人が少ない。
女性が言うには「タクシーも2人までなら行ってくれる事もあるけど、嫌がるのよねえ~~」
急登ながらも、飯干さんがゆっくりペースを保ってくれ、荷が軽いこともあり、
いろんな話を聞きながらあっという間に表尾根が見えてきた。
山塾での今までの楽しかった山行やキャンプの事、愉快な先輩方の事など…飯干さんの話はつきない。
尾根を行く人影がチラ、と見えた時、飯干さんが「あ!」と言って走り出した。
「安永さん達かと思ったけど違いました…」ションボリの飯干さん。
そう。飯干隊は、ヤビツから縦走している安永隊(安永さん、荒田さん、加藤光美さん)と、どこで会えるかと楽しみにしながらの山行でもある。
翌日の沢用装備とキャンプ用具を背負っての縦走は大変に違いない。
携帯の電波が入らず無線も無いので、待ち伏せ作戦を取る事にした。
最初の待ち伏せは、表尾根、書策新道分岐。
表尾根に出たというのに、あたりはガスで真っ白で眺望は臨めず
行者ヶ岳も真っ白で見えないくらい。新大日の方もガスがかかっていた。
11月のボッカ訓練の事をいろいろ教えてもらいながら安永隊を待つも、
来る気配はなく、諦めて出発。
次の待ち伏せは塔ノ岳。
山頂はものすごい人の数。
しかし、ガスで真っ白で富士山も、あたりの山も見えない。
お昼を食べたり、鹿の写真を撮ったり、飯干さんの装備を見せてもらったり、
更には尊仏山荘内で珈琲を飲んで安永隊を待つものの、姿は見えず…。
ここでも諦め1時45分に出発。
(安永隊の話では2時に着いたとのこの事)
次の待ち伏せ場所の花立山荘までは、少々トレランのまねっこ。
走ってみました。早い、早い!飯干隊長!
たくさんの登山者の脇を走り抜け、あっという間に花立山荘に到着。
なかなかの爽快感。超軽装備だとこんな事もできるのですね。
ここではかろうじてメールと、とぎれとぎれでも通話ができた。
飯干さんが百合子さんや鈴木利幸さんと連絡を取ったりしながら、
かき氷を食べて安永隊の到着を「今度こそ」と今か今かと楽しみに待つ。
すると!ようやく見覚えのある安永さん、荒田さん、加藤さんの姿が~~~!
お待ちしてました~~!
あたりはガスで真っ白でしたが、安永隊と会えて、皆で戸沢まで行ける事が嬉しい、飯干隊。
安永隊と飯干隊、計5人で夜の集いを楽しみにしながら 戸沢へと下山。
【感想】
飯干鉄人と2人の山行に、私 船戸はいささか緊張気味でした。
飯干隊長のこよなく仲間を愛するお人柄にふれ、いろんなお話を聞かせていただき
山小屋で珈琲を飲んだり、かき氷を食べるという贅沢にも大満足。
厳しい山行とはまた違うことを学んだ、楽しい山行でした。
【コースタイムなど】
9:30 戸沢キャンプ場出発
∥ 政次郎尾根
11:00 表尾根合流
∥
11:05 書策新道分岐 着
∥ 安永隊を待ちながら飯干さん作のプロテインケーキをいただく
11:40 書策新道分岐 出発
∥ 新大日
12:25 塔ノ岳 着
∥ 安永隊を待ちながら食事。さらに尊仏山荘内で珈琲。
∥ なかなか来ない安永隊…。
13:45 塔ノ岳 出発
∥ 大倉尾根を走る!走る!
14:00 花立山荘 着
∥ 安永隊を待ちながらカキ氷
14:45 待ちに待った安永隊到着!
15:00 花立山荘 出発
∥
15:15 天神尾根分岐 通過
∥ 天神尾根
16:00 戸沢キャンプ場 到着