岳嶺岩 エイドクライミング・レスキュートレーニング

  • 期間 2013-10-27
  • メンバー L土方(26期)、松本(17期)
  • 記録 土方

雪山登山の道場といえば八ヶ岳。
今年はどこをやろうかな?
と、八ヶ岳・奥秩父・中央アルプス(日本登山大系)をパラパラとめくる。
おや、横岳西壁・大同心。
赤岳~横岳~硫黄岳の縦走で何度も目にしたあの激しい大岩壁。
果たして登れるルートはあるのだろうか?とルート図を眺める。
どうやら、南稜ルートが登りやすいようだ。
しかし、最終ピッチは雲稜ルートと合流し、A1の人工登攀となるようだ。
久しく人工登攀はやってないなぁ。
それに冬季であればアイゼンを履いてアブミに乗ることになる。

というわけで、プレートでアブミを自作し岳嶺岩で人工登攀のトレーニングをすることにした。
市販のアブミはテープで作られているので、アイゼンで乗ると傷つけてしまうためだ。

岳嶺岩 007

昔の夏山サバイバルは岳嶺岩で行っていた。
が、リングボルトがいつ抜け落ちてもおかしくないため、ここ最近は他の岩場で実施している。
久々に岳嶺岩北面の岩壁を眺めてみると、ところどころハンガーボルトが打ち足されている。
腐ったリングボルトもまだまだ現役だが、ありがたいことだ。

早速リードでA1クライミング開始。
途中であとかたもなくバラバラになるんじゃないか・・・と心配した自作アブミはなかなか調子が良い。
支点に引っかける部分をフィフィにしたのだが、とても引っかけやすい。
フィフィだと、岩角に当たってカラビナをかけられないような状態の支点にも引っかけることが可能になる。
また、クリフハンガーであれば、支点がない局面でも岩に引っかけることで人工登攀が可能になるそうだ。

岳嶺岩 002

2本ほど直登ルートをリードした後、ハングの人工登攀へ。
松本さんが大ハングをリードし、小ハングを経由したトップロープをセットする。
これで大ハングと小ハングを両方登れるようになった。
ハングルートもハンガーボルトが打ち足され整備されている。

岳嶺岩 004

難しいのは小ハング。
まずは大ハングにトライし、問題なく撃破。
続いて小ハング。

小ハングはハング直下が核心。
数年前は為す術もなく敗退したが、今ならどうか。

岳嶺岩 011

ハング直下にたどりつき、次のリングボルトを見つめる。
リングボルトは遠い距離にあり、カンタンには届きそうにない。
思い切ってアブミの最上段に乗り込み、足を巻き込んでレスト体勢に。
少し伸びあがると、思ったより楽にアブミを引っかけることに成功。
あとはアブミに乗り込んで、ハングを乗っ越す。
以前よりスムーズにクリアできたので、ある程度は成長したようだ。

その後は宙吊りからの自己脱出、カウンターラッペルなどレスキュートレーニングに励んだ。

岳嶺岩 020

忘れないようにカウンターラッペルの手順をメモ。

1.セカンドが墜落
2.(オートブレーキ付きの確保器だったので)スプリットノットで流れ止め
3.テンションロープにオートブロックをセット
4.確保器から荷重を移すためのスリングをセット
5.テンションロープのバックアップをセット
6.荷重を抜いてテンションをスリングに移す
7.(ここで僕らは3分の1引き上げもした。)
8.セルフビレイをセット
9.メインロープをほどく
10.3分の1システムのオードブロック用スリングをほどく
11.ほどいたスリングをバックアップ懸垂に利用する
12.懸垂下降の準備をする
13.項目3,4でセットしたカラビナを支点から解除する
14.セルフビレイを解除して懸垂下降を開始する
15.事故者が居る場所にたどり着く
16.振り分け用のチェーンの片方を事故者のハーネスにセット
17.項目13で解除したカラビナに120cmスリングをセットし救助者のハーネスと連結する
18.介助懸垂をして下降する

今回のトレーニングで自作アブミの改良点も幾つか見つかった。
本チャンにトライするまでに改良していきたい。

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