八ヶ岳・小同心クラック

  • 期間 2013-12-22~2013-12-23
  • メンバー L松井(26期)、SL鈴木百(25期)、二見(27期)、木村広(27期)、鈴木利(30期)
  • 記録 木村広
 今回、我々は冬壁の入門ルートとして人気の高い小同心クラックに行ってきました。終日晴天で、楽しい岩登りを満喫してきました。



■12/22(日)
 小淵沢駅に集合し、マイカーで美濃戸口へ向かう。美濃戸口の駐車場は大混雑。装備を分担し赤岳鉱泉へ。

大同心と小同心(柳川北沢から)
01 大同心小同心(柳川北沢から)
■12/23(月)  夜明け前に満天の星。装備を整え大同心沢へ向かう。赤岳鉱泉から数分で大同心沢に出会う。大同心沢の出合には、立派な標識が立っている。大同心沢出合から大同心基部まではトレースが続いていて、ルートを迷わずに進む。大同心基部を小同心へ向かってトラバースし、小同心クラックの取り付き点に着く。 大同心と小同心(大同心稜から) 02 大同心 03 小同心
下記の通り、パーティーを二組に分けて登攀を行う。  先発隊:二見(1、3)、木村広(2)  後続隊:鈴木利(1、3)、鈴木百、松井(2) ※上記括弧内の数字は、リード担当のピッチ 1ピッチ目  取り付き点から数メートル登ったところの岩に、確保点を構築する。ここから左へトラバースして、クラック内を進む。ルート上に残置支点が少ないので、ピナクルを支点にする。ハンガーボルトが2つ、リングボルトが3つ並んでいる場所で、ピッチを切る。その手前でピッチを切ることも可能。 2ピッチ目  右側からクラック内を進む。ルート上に残置支点が豊富にある。ルートが屈曲しているので、ランナーのセットの仕方には工夫が必要。核心部の手前でハンガーボルトがあり、途中でピッチを切ることも可能。このハンガーボルトから右壁を登ると小同心の肩に出る。草付きの岩に確保点を構築する。 3ピッチ目  リッジの右側を数メートルトラバースした後、岩壁を登る。支点の対がルート上に3ヶ所あるので、最後の支点でピッチを切らないと中途半端になる。 1ピッチ目スタート 04 1ピッチ目スタート
2ピッチ目終点 05 2ピッチ目終点
3ピッチ目をリードする鈴木利 06 3ピッチ目をリードする鈴木利
白山を遠望(小同心の頭から)解像度が足りない? 07 白山を遠望(小同心の頭から)解像度が足りない?
小同心の頭 記念撮影 08 小同心の頭 記念撮影
 全員無事登り終わり、横岳山頂へ向かう。丸みを帯びた岩まで進み、左右どちらに行くか検討する。丸みを帯びた岩から、1段、直登方向に5~6m上がると、積雪が多いためか、ラッキーなことに、一般登山道にぶつかる雪のバンドが左にのびている。反対に、右へトラバースすると横岳の岩壁を登るルートへ出ると予測する。とりあえず右に進み、岩壁に取付くが、先に進めなくなる。後続のパーティーが、さらに右へトラバースしていく。岩壁を登るルートはそちらの方かもしれない。結局、左へトラバースして一般登山道へ出て、横岳山頂へ。 横岳山頂 記念撮影 09 横岳山頂 記念撮影
 横岳山頂に到着し、みんなで握手を交わす。山頂には人影は無く、穏やかな風の中、視界一杯に広がる白い峰々が我々を迎えてくれた。 <感想コーナー> ◆松井  1ピッチ目はビレイをしている間に体が冷えたせいか動きが思うようにならず、またピッチが長いこともあり無雪期に登攀した際(リード)よりも難しく感じた。  3人での登攀で、2人目はマイクロトラクションを使用したが、ロープをフィックスするとステップの範囲が限られる等の不利が生じた。そういったことも含めてアンカーを取りルートを考える余裕を持てるようにしたい。 ◆鈴木百  冬期小同心クラックは3回目。何度行っても刺激的なルートだと思います。  狭いクラックの中、アッセンダーの掛け替えは意外にコツが必要で(中間ランがとられたピナクルの位置で右手左手が限定される)、予想はしていたものの、本チャンでアンザイレンしていない、ということがこれほど精神的にキツイとは思いませんでした。いろいろ勉強になりました。 ◆二見  憧れ小同心?稜線の一般道に、しかも冬山に登攀でき、仲間に感謝です。足に4か所も豆を作り悪戦苦闘です。1ピッチ目、ザックが閊え苦労しました。手袋等、装備の課題が残りました。体内体力の雪山適応に食事改善が必須のようです。 ◆木村  書籍には、2ピッチ目が核心部と記載されていますが、1ピッチ目の方が難しく感じました。1ピッチ目はアプローチで疲れた体に堪えました。  今回、下山時に、私の歩行スピードが遅くて、皆さんにご迷惑をお掛けしました。皆さんには、これに懲りずに今後もお付き合いいただきたいと思います。 ◆鈴木利  1,3ピッチをリードで登りましたが、ピナクルにセットするランナーには苦労しました。ロープワーク、支点構築も今後の課題です。  晴天の山頂から望む360°のパノラマは最高でした。 <山行ルート> 12/23 赤岳鉱泉5:15~大同心沢~大同心稜~大同心基部~小同心基部8:00-8:20~小同心クラック~小同心の頭12:30~横岳14:30~硫黄岳~赤岳鉱泉17:30

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