八ヶ岳・硫黄岳~天狗岳

  • 期間 2014-01-12~2014-01-13
  • メンバー 鈴木百(L、25期)、松井(SL、26期)、二見(27期)、鈴木広(28期)、保岡(32期)、小林功(32期)、米田(33期)
  • 記録 鈴木(広)

■1/12(日) 晴
新宿7:30のあずさ3号で茅野駅へ。タクシーバスを利用して美濃戸口に10時30分に到着。オーバーパンツ、ロングスパッツ、ゴーグルを身に着けて赤岳鉱泉へ向かう。

美濃戸山荘を経て堰堤広場に到着した際、残念ながら佐藤さんが体調不良のため帰宅することになった。佐藤さんの共同装備を振り分けて、赤岳鉱泉へ向かう。鉱泉は人が多くテント設営場所を探すのに苦労したが、撤収するグループの跡に4テンと6テンを張ることができた。

山小屋でしばらく暖を取ってからテントに戻り夕食の準備。食当の保岡さんがキムチ鍋、鳥鍋(塩味)、グリーンカレーを用意してくれた。どれもとても美味しく頂きました。また、当日は小林功さんの誕生日で、松井さんと百合子さんが苺のショートケーキを作りました。小林さん大感激。
写真1

21時に就寝。寒くて眠れないと思い3シーズン用の寝袋を2つ持ってきたが、テント内は暖かく1つで十分だった。

■1/13(月) 曇のち晴
3時に起床。比較的眠れたが、食べ過ぎ飲み過ぎで気持ちが悪い。朝食準備中にさらに気分が悪くなり、人気のない森の奥で胃の中のものを全部吐き出した。かなり楽になったが朝食は食べられず、後でシャリバテを引き起こす原因となった。スパッツ、ビーコンを着けてテントを出て、撤収作業。
周りを見回すと雪は昨日よりも5cm程積もっていた。予報より積雪量は少ない。前日の晴天により赤岩の頭の雪崩リスクが高まるだろうと予測していたが、ほとんど降らなかったのでリスクは低いと判断した。また空を見上げると低い雲が広がっており、放射冷却が起きなかったことにより気温が下がらなかったと推測。このためテント内は暖かく、よく寝られたと考えられる。

アイゼン、オーバー手袋を着け、リーダーが各自のビーコン起動を確認して、5時30分に出発。
出発後、フカフカの雪で思うように歩けない、目出帽でうまく呼吸ができない、着込み過ぎで暑いなどにより皆についていくのがやっとだった。また、朝食を食べていないためシャリバテを起こしてしまった。休憩をとってもらいエネルギーを補給、ダウンジャケットを脱いだ。しかし、暫く辛い状況は続いた。
樹林がまばらになってきたところで休憩をとった。これから風が強くなるので、ゴアテックスジャケットの上からダウンジャケットを着た。稜線に出ると風は強かったが、ダウンジャケットのおかげで体が冷えることはなかった。

赤岩の頭へ向かって樹林の密度が低くなっていくあたり(2500m付近)から、頭大の雪のブロックが転がっていたり、トレースが小さなデブリで潰されていたりと、雪崩が発生する兆候がいくつか見られた。恐らく前日の晴天で起きたものと考えられる。しかし、2006年に雪崩が起きたルンゼ状の雪壁が見えたところで、
・あまり雪庇が発達していないこと
・雪壁に亀裂などがないこと
・明るくなるにつれ逆に気温が下がり、前日の晴天による弱層もそれほど気にする必要がなさそうなこと
などから雪崩のリスクは低いと判断した(リーダー判断)。

赤岩の頭を上がってオーレン小屋への分岐まではトレースがあったが、そこから先は風に飛ばされて消えていた。リーダーは山頂までコンパスを頼りに夏道の付き方などを思い出しながら歩きやすいところを拾ったとのこと。私はトレースがあると思って歩いていたが、思い出してみると、先頭は確かにコンパスを見ながら道を探していた。
硫黄岳に 7時40分到着。頂上は非常に風が強かった。
ヒュッテ夏沢に 8時50分、気温マイナス18度。
根石岳に入る前の樹林帯で休憩を取る。ここから先は樹林がなくなり非常に風が強いとのことで、防寒具のチェックを行った。

進んでいくと聞いていた通りの強風。白砂新道との合流点での風向きからすると北西または西北西の風と考えられる。冬型の気圧配置では、八ヶ岳ではだいたいその風向になるとのこと。
時折バランスを崩すほどの強風の中、慎重に歩を進める。リスキーな状況だったが、とても楽しい気分になっていた。しかし、東天狗に向かう登りに苦戦する。やはり呼吸がうまくできず、皆についていくのがやっとだった。東天狗山頂に到着した時には、あまりの疲労に座り込んでしまった。

余力があれば西天狗に行く予定だったが、風が非常に強かったので今回はパスすることにした。高度を下げるにつれ風が弱まり、ようやく口元を開放して深呼吸する。こんなに空気が美味しいと思ったことは今までない。ナウシカの世界もこんな感じかも?
黒百合ヒュッテが見えた頃から日差しが出てきた。黒百合平の樹林に日が差し込む絶景を撮りたかったが、そんな余裕はなく断念(しかし、松井さんが撮影していました)。
写真2

黒百合ヒュッテに11時40分到着。渋の湯発のバスには間があるので、暫くヒュッテで暖をとる。
ヒュッテを12時30分に出発し、渋の湯に13時50分。バス待ちの1時間ほどが非常に寒く、体を温めるために歩いたり時々走ったりしていた。
茅野駅に戻り、駅前の蕎麦屋で反省会。米田さんから百合子さん、松井さんへの質問攻めが印象的でした。

反省点
・現状把握を怠り、状況に対する仮説構築と検証ができなかった。赤岳鉱泉で情報入手すべきだった。リーダーに任せっきりだった。
・体力には自信がある方だと思っていたが、雪山では皆についていくのがやっとだった。荷物の軽量化を怠ったこと(3シーズン用シュラフを2つ持っていた)、雪山の経験が不足していることが考えられる。

今後の課題
・リーダー任せにしない。現状把握→仮説構築→方策立案を自ら行う意識を持つ。
・軽量化を図る。
・雪山の経験値を上げる。

<行程>
1/12 美濃戸口11:00~堰堤広場12:40~赤岳鉱泉14:30
1/13 赤岳鉱泉5:30~硫黄岳7:40~ヒュッテ夏沢8:50~東天狗10:40~黒百合ヒュッテ11:40-12:30~渋の湯13:50

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