仙ノ倉山北尾根

  • 期間 2019-03-02~2019-03-03
  • メンバー L田中(35期)、保岡(32期)、小林英(25期)
  • 記録 田中

■3/2(土)
8:40、電車で土樽駅に集合。居合わせた山スキーの方に声をかけたところ長吊尾根とのこと。仙ノ倉北尾根とは谷を挟んで向き合うルートであり、お互いの無事を祈って別れた。駅前から雪の上のショートカットで車道に下り、毛渡橋まで歩く。車道上に雪はない。好天で気温が高く、ジャケットも要らない。毛渡橋のたもとには2台が駐車していた。ここから残雪期のようなシャーベット状の雪となり、関越道と上越線をくぐって林道に入る。その先で、先週タカマタギ(無名山塾から派生した「みどるの会」の山行。田中と小林が参加していた)から下山してきた林道とT字になる分岐から毛渡沢沿いに仙ノ倉山へ向かうのだが、分岐と思われる雪面でワカンを着けて歩き始めたところで、踏み跡に釣られてタカマタギに繋がる尾根の方向に進んでしまった。踏み跡が下りに転じる気配がないので間違いに気づき修正したが、前途に暗雲である。沢沿いの道に出て、うんざりするくらい長く平坦な行程の末にやっと群大仙ノ倉山荘に到着して一服。山荘前の橋を渡って北尾根の取付きとなるバッキガ平に立つことができた。
ここからは概ね南方向にかすかな踏跡を参考にしながら高度を上げていく。雪質が悪くて硬いところと踏み抜いてしまうところが混在している。踏んだと思うと沈んだりして精神的に良くないし、バランスを崩し足に思わぬ力がかかる。バッキガ平から小屋場ノ頭まで約2時間、緩やかなのは最初と最後のみで、急登が続く。進むうち傾斜が増してワカンでは登れなくなり、トラバースする箇所もあった。
IMG_4005a

小屋場ノ頭(1182.0m三角点)から北尾根を一望、素晴らしい景色だ。南に向かってしばらく緩やかだが、ナイフリッジを経て左(東)寄りに屈曲して高度を上げ、ピークをひとつ越えて右(西)向きの段々。段の間も急峻で、後の段の奥がシッケイノ頭、その先の三角が仙ノ倉山だろう。「シッケイ」とは土地の言葉でカモシカの意味だそうである。緩やかな尾根から急激に上昇した踊り場付近まで行ってテント場を探すこととした。IMG_4012p

ナイフリッジの前でワカンからアイゼンに履き替えた。ナイフリッジは南北に200mくらい延びており、今の時間は東側が締まっていて西側は雪崩の危険性が高い。リッジの東側に足を置き、リッジ上にピッケルを刺してトラバースした。IMG_4028

ナイフリッジを抜けると急登となり、息を切らす。振り返れば谷を隔てて長吊尾根から日白山に上がりタカマタギに至る景色が大きい。1450mを越えると傾斜が緩んで一息つけるが、尾根は細い。さらに登って1530m小ピークを本日のテン場に決定、雪を削ってテント設営したのは17時頃であった。IMG_40351552549812617a1552549783049

日が暮れると、ドン、ドンとしきりに雪崩の音がする。午後の陽で緩んだ雪が今落ちるのか、あるいは天狗倒しならぬ天狗雪崩か? やがて風が強まってきた。

■3/3(日)
4時起。撤収の際に見ると、夜半からの強風でテントポールが曲がっていた。6時過ぎに出発。気温-2℃、夜が明けても風は収まらない。
短い急登を上がって1627mピークまで進むが、体を持っていかれるほどの強風となった。ここから一段下りて樹木の生え際を進めばシッケイノ頭へ出る急斜面の足元までは行ける。地形図から判断して、急斜面をこなしてシッケイノ頭へ出てしまえば後は難しいところはない。進むか退くか? ここは安全第一のリーダー判断で、撤退することに決定した。写真を撮るために外したオーバー手袋が風に踊っている。1552549787454

急登やナイフリッジを戻る際は慎重を期したが、全般に下りの逃げ足は速い。テント場から小屋場ノ頭、群大仙ノ倉山荘と下りて、10:30には毛渡橋に戻った。そこからタクシーを呼んで越後湯沢駅まで行き(3,400円)、構内の蕎麦屋で例の如くの反省会となった。

<行程>
3/2 土樽駅9:00~群大仙ノ倉山荘11:40~小屋場ノ頭14:00-14:20~1530mC1 16:40
3/3 C1 6:10~1627m(撤退)6:50~小屋場ノ頭8:00-8:20~毛渡橋10:30

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>