夏休みの挑戦ということで源次郎尾根を計画したものの、富山県警のHPで剱沢の雪渓が悪いとの情報を得ていたので危ぶんでいました。予想通り、決行前日の偵察で雪渓を横断することを断念しました。
代替案で松本さんから聞いていた別山北尾根に転進しました。北尾根からの三山縦走が楽しめたので、教えてくださった松本さんに感謝です。
■8/21(土)
今後の参考に、雪が少なかったために撤退した源次郎尾根出合までのアプローチを記録する。剱澤小屋と登山研修所の間を剱沢に向かって下降し、平蔵谷出合まで1時間。例年ならば剣山荘からの下降ルートの合流点付近から雪渓に乗れるが、今回は悲しいことに右岸の夏道通しで平蔵谷出合まで楽勝で行けた。源次郎尾根取付きへはここで雪渓を渡らなければならないが、以下のように状態が悪く、断念した。
・平蔵谷方向から大きなクレバスが数本入っており、渡河点を幾重にもよぎっている。
・雪渓が全体的に黒ずんでいて5mくらいのクラックが無数に入っている。
・雪渓の中央部分が水色になっていていかにも薄そう。
諦めてキャンプ場に引き返す道すがら、昨夜からの疲れがどっと出てバテバテになった(田中だけ)。テントに戻って来年のリベンジを誓う。夕食後、気持ちのいい屋外での山談義の最中、なぜかサーファーが出現した。
■8/22(日)
気を取り直して別山北尾根に挑戦した。別山北尾根は剱沢キャンプ場のすぐ東側にあり、どこからでも取り付けそうである。ハイマツの切れ目を辿って30分で尾根に乗った。
尾根の突端からの剱岳は絶品だった。朝日を背にして西方向の斜面を見ると虹の光輪に囲まれた自分の影がくっきりと映っている。ブロッケン現象だ。ありがたい姿だがご利益は全くないと思われる。
別山北尾根を尾根通しに1時間30分で別山北峰に到着。途中、岩場を乗り越え、左右に巻いてルートファインディングしつつ進む快適さを味わった。また、小規模なゲレンデ状の岩場があり、時間があるときに遊ぶ場所として適地と思う。
北峰からは一般道で雄山、一ノ越、東一ノ越と快適に縦走、下降した。北アルプスらしい清々(すがすが)しい景色に魅了された。
ところが東一ノ越から黒部ダムまでの下降路、特にタンボ平までの道には閉口した。あまり利用されていないらしく、クマザサをかき分けながらの下降で人生がいやになってしまった。無口になってやっと到着した「ロッジくろよん」で飲んだサイダーが喉に染み渡った。
<小林功所感>
今回の山行目的であった源次郎尾根は雪渓の状態が悪く中止とした。現地に行く前から状態が悪いという情報はあったが、偵察のために実際に剱沢を下り、現場を見たことは今後の参考になった。
また、天候が崩れ始めたため日程を変更し前倒しでのルートになった別山北尾根から立山三山の縦走は、源次郎尾根を登れなかったモヤモヤ感を忘れさせてくれるくらい天気に恵まれ気持ち良い縦走、尾根歩きとなった。
今回山行を共にした素敵な山仲間と一緒に、また来年、源次郎尾根にトライできればと思います。
<宇田川所感>
今回の目的であった源次郎尾根が見送りとなってしまったのは残念であったが、予報よりは天候に恵まれ、別山~立山三山と気持ちの良いアルプスの縦走を楽しむことができた。
個人的にルートファインディング力など源次郎尾根挑戦には不安要素があったので、リベンジまでに実力の向上に励もうと思う。
<田中所感>
源次郎尾根を取付き手前から見上げたがなかなかに険しい道のりだった。今よりも体力を上げないと厳しそうだ。代替の別山北尾根はgoodだった。振り返るとガスの切れ間に剱がちょくちょく見えることが道行にスパイスを利かせてくれた。東一ノ越から黒部ダムへの下降ルートは二度と行きたくない。
<行程>
8/21 室堂ターミナル9:00~雷鳥平10:00~別山乗越12:00~剱沢キャンプ場12:30
8/22 剱沢キャンプ場5:00~別山北尾根5:30~別山北峰7:00~雄山9:30-10:30~一ノ越11:00~東一ノ越11:30~タンボ平13:30~黒部ダム14:00