天狗山(長野県川上村)ダイレクト

  • 期間 2023-09-30
  • メンバー L駿谷(40期)、大野(40期)
  • 記録 駿谷

山岳ガイド佐藤勇介氏のHPで次のような記事(https://essential-line.com/tenguyama-direct)を読んだ。
「川上村のナナーズから見上げる天狗山は山頂直下に岩壁を張り巡らせている。山頂へと続く岩稜・岩壁をつないで登るバリエーションルートを開拓・整備した。その名も『天狗山ダイレクト』。読図、ルートファインディング、プロテクションセットなど総合的な技術が求められる。男山ダイレクトに続く好ルートである。」
ルートの詳細をいろいろと調べているうちに無性に行きたくなってしまい、時期を見計らって実行に移した。

・取付きまで
天狗山登山口からの一般道を標高差で100mほど登ると、右側に標識、左側にロープが張られた場所に着く。ここが、目指す尾根取付きへの分岐となる。
分岐の標識
左側のロープをくぐるとかなり急な下りとなるが、踏み跡は明瞭である。標高差で150m下りるとトラバースとなり、急に踏み跡が薄くなる。ところどころにあるケルンを目印に進むと、難なく取付きに着く。
ケルン/取付き

ケルン/取付き

 
・1P(30m・Ⅲ級) リード:大野
右ステップから真ん中を登る。土や苔の付く階段状の岩稜。途中にテラス2箇所あり。ランナー無しでも行けるが、今はウォーミングアップとして2箇所、細木に取る。上部の松木でビレイ。
1P

 
・2P(20m・Ⅳ級+) リード:駿谷
リッジを直上して小ハングを越えるラインを取る。上部の岩がかなり脆いので緊張した。もしかすると左の凹角のほうが登りやすかったかもしれない。カム(♯0.75)と木の根2か所でランナーを取る。
2P

 
・3P(25m・Ⅱ~Ⅲ級) リード:大野
斜度の緩い岩稜。岩壁下まで。
3P上部

 
・4P(30m・Ⅳ級+) リード:駿谷
小さなクラックからリッジへ。出だしは急だが、木に足をかけてスタート。カム(♯0.75)使用。もっと小さいカム(♯0.5程度)があってもよかった。
4P

 
・5P(10分・Ⅰ~Ⅱ級) リード:大野
コンテでしばらく歩く。思った以上に長い。
 
・6P(30m・Ⅳ級) リード:駿谷
チムニーを数m登ったところの左壁に、次に右壁に、それぞれ残置ハーケンがあるはずだが、最初のハーケンが見当たらず(大野さんによれば実はあったようだ)。右壁メインで適宜に左壁を使いながらチムニーを抜けた。チムニー内の岩の凹凸や上部の木にロープが引っ掛かり、とても重かった。
6P

 
・7P(20m・Ⅳ級-) リード:大野
10mほどのフェイスを登る。その先はリッジをさらに進んでからのビレイが正解だと思われる。実際にはリッジ手前で切ったため、次(8P)のコンテが長くなってしまった。
7P

 
・8P(Ⅱ級) リード:駿谷
立ち位置の関係から駿谷と大野の順番を入れ替え、コンテでリッジを歩いた。
 
・9P(25m・V級-) リード:駿谷
背伸びして一つ目のペツルにヌンチャクをプリセットし、二つ目のペツルがある方向に沿って登る。二つ目から直上してしまったが、後から大野さんに聞くと、やや右方向に寄ったほうが楽かも、ということだった。
9P

 
・10P(15m・V級-) リード:大野
下がすっぱり切れ落ちたスラブにペツルが打ってあるが、背伸びしても届かず、乏しいスタンスになんとか右足を乗せてヌンチャクをプリセット。右側ハング下にガバあり。足も置けるが脆い。中間部から右上する。上部は浮き石が多い。上がってすぐの松の木でビレイ。屈曲してロープが重かった。
10P

 
・11P~12P(10分)
ロープを収納し、リッジから少し下りた樹林帯を歩く。11Pと12Pの切れ目も分からないまま、あっさり天狗山山頂へ。
天狗山山頂

 
<行程>
登山口6:00~分岐6:25~取付き6:35-7:00~三段岩壁基部(9P開始地点)9:50~天狗山山頂11:00~登山口11:30

<装備等>
ダブルロープ(8mm50m)、カム(♯0.75~♯2)、クライミングシューズ(6、9、10P。それ以外はアプローチシューズ)

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