那須 井戸沢・大沢左俣

  • 期間 2023-08-05~2023-08-06
  • メンバー L駿谷(40期)、大野(40期)、高橋(41期)
  • 記録 駿谷

那須の大沢がイイらしいとの噂を聞き、さっそく計画した。せっかく遠出するので隣にある井戸沢とセットにして、初日は井戸沢を楽しく遡行して中ノ沢を下降、二日目は大沢左俣にチャレンジして余裕あれば井戸沢を下降、という贅沢なプランとした。

■8/5(土)
まずは大沢林道のゲートから林道歩きで約1時間。入渓地点にある堰堤は右岸に残置されたロープを使って乗り越えたが、堰堤を覆う丸太が濡れており、とても滑りやすい。堰堤手前20m地点から右岸を巻くのが安全だと思われる。
入渓地点
朝一ということもあってF2(15m)は一応ロープを出し、高橋さんがリード。大野さんが大胆にも中央突破しようと言うが、定石通りに右壁の藪を小さく巻く。藪に入ったところにある土の垂壁2mには残置スリングが2~3本ぶら下がっており、結果的にはフリーでも突破できたように思う。以降、ロープは出さなかった。
F2
次々と現れる5m~10mほどの滝を乗り越えていく。スラブ状の滝が多い。
スラブ滝
F9(15m)は、大野さんは階段状となる左側から、高橋さんはやや難しそうな右側からチャレンジする。
F9
青い空に向かってまっすぐに突きあがっていく。思わず歓声をあげる。
詰め手前
最後までスラブが続き、詰めは腰下の笹やぶとなる。
詰め/笹やぶ
稜線に出て、流石山を経由して大峠から登山道で下山を開始する。途中で峠沢、中ノ沢を渡渉するが、我々は中ノ沢から再度入渓して下降する。
中ノ沢の下降開始地点

中ノ沢の下降開始地点

ナメ床が多くて気持ち良い。
ナメ床
三斗小屋宿跡付近にある橋のあたりで脱渓。
駐車スペースのゲートから15分のところにある幸の湯温泉で汗を流した後、焚火の森キャンプ場へ。焚火を楽しみながらの話は尽きない。しこたまお酒も入り、それぞれ気を失ったように落ちていった。

■8/6(日)
大沢林道から入渓地点への林道が分岐する場所にスペースがあったので、そこに駐車する。堰堤が連続する区間は林道でショートカットし、30分ほどで入渓地点に到着する。入渓してしばらくは涸れ沢のゴーロ帯を進む。
ゴーロ帯
ゴーロ帯の丘を越えると、見事な連曝帯が現れた。
連曝帯
しばらくすると20mのスラブ滝が現れる。予習したところによると、左側のボロいルンゼを8割がたの高さまで登り、途中からルンゼを脱出して右側の滝身に近づくように遡上するはず。このルンゼの脱出から右側に乗り出すまでが今日の核心だった。残置があるという情報を得ていたがルンゼ内には見当たらず、ルンゼの奥の割れ目にカム(#2)をセットして、両手足を左右の壁に突っ張りながらルンゼを脱出した。その脱出した箇所に残置ハーケンが見えたが、手でゆすっただけで抜けてしまった。滝の落ち口を過ぎ、ロープを40mほど出したところの灌木でビレイ。
スラブ滝20m
その後も、落差はないがⅣ級の滝が続く。
緊張感は終わらない
最後の二股には涸れたスラブ滝40mがある。ここまではラバーソールのシューズにフェルトソールを装着していたが、ここでフェルトを外す。高度感はあるが、ラバーのフリクションが良く効き不安感はない。カム(#0.3、#1)を使用。
スラブ滝40m
詰めは井戸沢と同じ程度と予想していたが、笹が濃くてはるかにきつかった。
詰め/笹やぶ
この時点の疲労感から、井戸沢下降プランはあきらめていた。そして、稜線からの登山道の下りが長いことが分かっていたので、五葉の泉を過ぎたあたりにある1792mピークからバリエーションを下ってみようと踏み跡を辿ってみる。しかし、標高で100mほど下降すると藪が濃くなり、これは無理だと再び稜線まで登り返す。これで約1時間のロスとなり、余計に疲れた。
さらに、長い下りの途中で天気予報にはなかった突然の雷雨に見舞われ、登山道が沢のようになる。もし井戸沢を下降していたら危なかった。
レインウェアの中までびしょぬれになりながら19:30に駐車スペースに戻った。

緊張感も含めて最高に楽しく、かつ、要所における判断等で反省点も見つかった沢登りとなった。

<装備>
8/5 30mロープ
8/6 50mロープ、カム(#0.3~2)、ハーケン

<行程>
8/5 大沢林道ゲート7:00~三斗小屋宿跡7:50~井戸沢入渓8:10~F2 8:40~F9 9:20~稜線11:30~中ノ沢入渓13:30~脱渓15:00~大沢林道ゲート15:50
8/6 林道分岐6:30~大沢入渓7:00~20m滝8:00~40m滝10:20~稜線14:00~三斗小屋分岐18:00~三斗小屋宿跡18:50~林道分岐19:30

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