八ヶ岳・阿弥陀岳南稜

  • 期間 2022-01-21~2022-01-22
  • メンバー L田中(35期)、駿谷(40期)
  • 記録 駿谷

絶好のコンディションで南稜から阿弥陀岳登頂に成功した。田中Lと一緒の山行としては一昨年の大ナゲシ北稜(無名山塾から派生したみどるの会の山行)、昨年の八峰Cフェースに続いて、記憶に残る登山となった。

■1/21(金)
舟山十字路から旭小屋跡までは林道歩き。出発から20分ほどの地点で渡渉を連続して2回行うが、ここは地形図に表れていない涸れ沢を含めて沢筋が入り組んでおり、積雪期は特に注意を要する。我々は11月(南稜P3直登ルート、みどるの会山行)に通ったばかりなので土地勘が残っていたが、冬季に初見で踏み跡が無いと少し迷うかもしれない。渡渉してから旭小屋跡までの林道は踏み跡も薄く脛から膝まで雪に埋まるが、軽い粉雪なのでツボ足でガシガシ進む。
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立場山に至る稜線に上がると、おそらく広河原経由で来たと思われる先行者の明瞭な踏み跡があった。しかし、踏み固められている箇所が足の幅二つ分ほどで、ともすると足が外側に流れてしまい腿まで埋まる。歩きにくいわ~と二人で文句を言いながら約5時間でアオナギに到着。11月の時は4時間弱だったから上出来か。ここまでは危険個所もなく、ツボ足で通せた。
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日本酒1Lを燗で飲み切ったあとは田中Lの自家製山椒酒を飲み干して、20時就寝。夜中に起きた時の星空がびっくりするほど綺麗だった。

■1/22(土)
4:00起床、6:15出発。
無名峰までの急な登りは朝一の身体にはキツイ。コルの吹き溜まりでは腰まで雪に埋まる。
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P1、P2はいずれも左側に巻き、P3ガリー手前のトラバース地点は張り出した岩を抱きかかえるようにしてフリーで通過した。

P3ガリーは屈曲しながら続く氷雪・草付・岩のミックス。取付きにはワイヤーが露出しており、ここでビレイステーションを構築する。
1ピッチ目は田中Lリードで、灌木にランナーを取りながら40mほど登った地点にあるリングボルト+捨て縄で支点を構築する。
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2ピッチ目は駿谷がリード。10m弱登った地点の大岩にハンガーボルトがあり、ここでランナーを取る。この大岩の左側上方は氷と岩のミックスで、右側上方は薄い雪で覆われている。次に目指すP4は左側の方向にあることを田中Lから聞いていたが、テラテラ光る氷に恐れをなして、右側を選択した。しかし、右側上方をだいぶ先まで見上げてみても、支点になりそうな灌木まではかなりの距離がありそう。ロープが足りるかどうか不安になりながらも、なんとか数mを残して灌木に到達。ロープ残の把握と支点になりそうな位置までの目測の能力が重要だと感じた。
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3ピッチ目は田中Lがリード。左上方向に約15m登った木の根に支点構築。
P3終了点からP4ガリー取付きまでは、アンザイレンしたまま、駿谷が先頭、田中Lが後方でガイド巻きして進んだ。

P4の1ピッチ目は、後方の田中Lが大岩に直接ロープをかけてセルフビレイを取り、先頭の駿谷がそのままリード。まず左側が切れ落ちた斜面をトラバースしてガリーの基部に取り付く。このトラバースは狭いバンドで雪も薄被(かぶ)りなのでなかなか怖かった。
ロープで直接セルフビレイを取ったことから、15mトラバースしてガリーを15~20mほど登った地点でロープがほぼ尽きてしまった。特に支点となるようなものも見当たらなかったため、周囲を踏み固めてアックスが雪に埋まるのを確認しスタンディングアックスビレイで田中Lを確保する。しかし、しっかり固まるような雪質ではなかったので普通の肩絡みで確保した方がベターだったかもしれない。この点は後からの反省。
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2ピッチ目は田中Lがリードし、30mほど登った地点の岩で支点を構築。
P4登攀を終了した地点で小休憩。それにしても空が青い!景色サイコーやん!南・中央・北アルプス全て見えるしな!心の中でヒャッハーと連呼する。この時、田中Lが雪面においた袋入りのパンが滑落していき、悔しがることしきり。
以降はフリーで登攀して、12時ちょうどに阿弥陀岳山頂に到達。嬉しさ爆発して、がっちり握手した。
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さて、下りの御小屋尾根は最初が急すぎる上に美濃戸まであまりに長いが、お洒落な山ガールがいっぱい。田中Lはザック重量を聞かれて20kgくらいかなとさりげなく答えたら「スゴーイ」と絶賛され、しきりに照れてた。かわゆす。
疲れ切った身体で15時に八ヶ岳山荘着、翌日のアイスクライミングメンバーと合流した。

<備忘録>
・茅野駅→舟山十字路はタクシーで約30分、7000円。第一交通は非除雪エリアでも行ってくれるが、アルピコ交通はNG。
・アオナギは冷える。今回は最低気温-15℃程度、スノーフライ付の2テン、サマーシュラフ+ビビィ+上下ダウン+上シェルでやや寒かった。無名峰を越えたあたりのコルで風が弱まり、幕営地としてベターかもしれない。
・P3ガリーの前半50mは人工プロテクションあり、後半50mは見当たらず。
・P4は人工プロテクション見当たらず。
・ザック重量は駿谷20kg、田中L22~23kg? 酒が無ければもう少し軽くできるが…
八ヶ岳山荘の風呂はモンベルカード割引で300円。

<行程>
1/21 舟山十字路10:00~旭小屋11:30~立場山14:30~アオナギ(C1)15:00
1/22 C1 6:15~P3取付き9:15~P4取付き11:00~阿弥陀岳山頂12:00~八ヶ岳山荘15:00

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