今シーズン初のアイゼン・ピッケルをしっかり効かせて登下降する山として、八ヶ岳の主峰である赤岳を選択した。
前日のうちに茅野駅からタクシーに乗車し八ヶ岳山荘へ。タクシー代は6400円程度だった。山荘の仮眠室は宿泊料2000円で事前予約が必要。1階のロビーが24時間開放されており、そちらのテーブルで煮炊きができる。夕刻など比較的早い時刻であれば仮眠室を貸切り状態で荷物整理もできるが、夜遅くには狭い廊下にザックがひしめきあってしまう。就寝中に他人のヘッドランプに顔を照らされるのを嫌いアイマスクを持参。耳栓も持参すればよかったとやや反省。
4時起床。朝食を摂取し5時に出発。美濃戸に向かう林道の積雪は10~40cm程度。美濃戸口から軽アイゼンを装着、下り坂も快適に通過。朝早いのに続々と登山者の車が通過していくが、あちこちでスタックしていた。特にやまのこ村の先にある最後の坂はゴチンゴチンに凍っていて登れずにバックしている車もあり。1時間ほどで美濃戸に到着、美濃戸山荘で休憩。
南沢を詰めていく。毎度であるが行者小屋までの道のりは長くうんざりしてしまう。沢沿いの平坦で横岳が望める場所で一息つくが、そこからも長い。
ようやく行者小屋に到着し行動食を摂取、アイゼンを12本爪に変更しストックからピッケルへ。いざ登らん!とザックを背負うと...なんと!!!左のショルダーベルトがちぎれてしまった! 引き返す選択が一瞬脳裏をよぎったが、スリングで応急処置して上手く背負えるようにした。天気は快晴無風。地蔵の頭を目指して歩く。鉄階段はだいぶ雪で埋まっていた。雪が多いためかナイフリッジ下の斜面を直登してリッジの中間付近に出るトレースがついていた。ナイフリッジには雪庇が形成されていた。
ナイフリッジを振り返って
地蔵の頭で少し休憩、山頂へ向かう。風は赤岳展望荘を過ぎたあたりで突然強まる。それでも風速5m程度か。山頂直下の斜面取付きを少し登ると風は落ち着いた。雪が多いので急斜面のルートに岩がゴロゴロ出ていることはなく登りやすい。山頂からは富士山やアルプスがよく見えた。阿弥陀岳山頂に人影らしきものが確認できる。南稜をやられている田中さん、駿谷さんだろうかと思いながら、阿弥陀岳登頂に憧れてしまう。
赤岳山頂にて
下山には文三郎尾根を使う。鉄梯子を通過しルンゼ状の狭いルートをアイゼンを引っ掛けないよう慎重を期した。キレット・権現方面への分岐を過ぎて急斜面に掛かる。昨晩降雪があったのかパウダースノーが積もってアイゼンが効きづらく、バランスを崩さないよう気を遣う。
相変わらず風がなく、本日は快適な天候である。昨シーズンはものすごい強風の中を下った記憶がある。その際は中岳分岐付近が最も風が強かったっけ。文三郎尾根コースのマムートの鉄階段はほぼ全て雪の中で、無雪期に比べ歩きやすい。
行者小屋に到着して軽アイゼン、ストックに装備を変更。ゆっくりと下山した。
<行程>
美濃戸口5:10~美濃戸6:20~行者小屋8:40~地蔵の頭10:00~赤岳10:50~中岳分岐11:50~行者小屋12:10~美濃戸13:40~美濃戸口14:40