バリエーションルートの歩き方を応用ステップで学ぶ。事前に2万5千分1地形図を拡大コピーし、等高線を200m毎に黒のマジックでなぞる。ルート上の尾根は黄色の蛍光ペンで強調し、そこから派生する大きめの支尾根も黄色の蛍光ペンでマーキングした。9月の基本ステップ「読図の山」の際は支尾根全てをマーキングしたのだが、かえって進むルートを視認しにくくなってしまった反省点があり、今回の事前準備はそのように改善してみた。また、進行方向が変化する地点に角度を追記し、ピークとコルもマーキングしておいた。
当日の天気予報は、午前中は雨で午後は曇り。秩父鉄道の長旅の道中、曇天であるが雨は降っていない。しかし、御花畑駅を過ぎたあたりから車窓に雨が。
浦山口駅で降車し改札を出て全員合流。既に合羽を着ている諸先輩方を見て、着用していない自分に反省。6月のカモシカ山行の際に合羽の下をいつまでも着用しなかったせいで随分寒い思いをした苦い経験を踏まえ、雨足は弱いものの、合羽を上下着用し歩き始めた。
国道140号を少し歩き、浦山方面の道へ入る。浄水場を過ぎ橋立鍾乳洞入口を過ぎて橋を渡った先で高ワラビ尾根の取付きに到着。皆で高度計をセットしコンパスを合わせる。
踏み跡は若干薄いがルートは把握しやすい。一般登山道ではないため整備されておらず、特に急斜面の直登は疲れる。最初のポイントである城山(705mピーク)に到着。
三角点を確認し、高度計に誤差が生じていないか確認する。進行方向が変わるため皆でコンパスのホイールを調整し確認しあう。その後は緩やかな尾根歩きとなったが、1055mピークに向けて長い登りとなる。時折、尾根が痩せて岩が出てくるなどしたが、通過の可否を先行者が後続に伝え、コミュニケーションをとりながら進んでいった。
腰を下ろすような休憩はなく歩き続けたため、私はすっかり疲れてしまい最後まで歩くことができるか少々不安になっていた。また、雨は弱まってきたが風が強まり、体が冷えないようにグローブを着用し低体温による体力低下を防いだ。
しかし、タワ尾根との分岐に到着すると、過去に何度も登った経験がありその先の様子を知っているせいか疲労も大分回復し小持山まですんなり歩くことができた。
小持山から大持山までは一般登山ルートであるが、悪天候のせいか登山者には殆ど出会わなかった。途中の展望の良いところで少し閑話。矢岳や蕎麦粒山、三ツドッケの眺めがよかった。
読図技術を最も要したのは大持山から浦山大日堂までのルートではないかと感じた。大持山山頂から南西方面へ伸びる尾根を下るが、標高1150m付近で南に支尾根が派生し、標高1100m付近でも北西と南に支尾根がそれぞれ派生している。予め地図にマーキングしたコルやピークを頼りに現地と照らし合わせ、コンパスと高度計で確認し現在地を把握する。保岡Lもこのあたりでは入念に地形を読んでいた様子だった。そして、標高900m付近で尾根が大きく二俣に分かれる。これを西に進むのだが、谷が大きく二股になっているのが現地だと認識しづらい。また、地形上、現在地から即、西に進めず、一旦逆方向の尾根を下り斜度が緩やかになったあたりで西に進路を戻して、浦山大日堂手前の集落に無事下山できた。
保岡Lのナイスな判断と連絡によりジャンボタクシーが待機しており、スムーズに西武秩父駅へ到着することができた。
<行程>
秩父鉄道浦山口駅8:42~城山10:05~小持山12:58~大持山13:39~浦山大日堂15:26