今回、私たちは谷川岳のマチガ沢東南稜に行ってきました。紅葉のアルパインクライミングを満喫してきました。
マチガ沢出合の様子です。今日は終日秋晴れです。
厳剛新道の第一見晴台からマチガ沢に入ります。
紅葉の中、マチガ沢を遡行していきます。
この滝の右岸側はヌルヌルでスベスベの為、左岸側から高巻きます。右岸側は残置支点と残置スリングが豊富にある為、右岸側に誘導されてしまいます。
ヌルヌルスベスベの滝の右岸側から懸垂下降で戻って、左岸側に転進します。
東南稜1ピッチ目です。先行パーティーが登るのを待ってから、東南稜1ピッチ目を松本さんがリードします。
保岡さんが続きます。計4ピッチを登り、草付きを山頂まで詰めていきます。
山頂で記念撮影です。
紅葉の中、下山します。
【時間経過】
谷川岳ベースプラザ(6:20)~マチガ沢出合(6:50)~厳剛新道第一見晴台(7:40)~東南稜(12:10)~オキノ耳(16:00)~ロープウェイ乗り場ビューテラスてんじん(18:10)
【感想】
■木村
フェルトソールの沢靴でマチガ沢を遡行しましたが、ラバーソールの靴のほうがよかったと思います。濡れた岩の場合はラバーよりはましですが、フェルトでも濡れた岩は滑りました。フェルトソールが保水する為、乾いた岩でも常に濡れた岩を歩いている状態になり苦労しました。この沢は高巻きがポイントになると思いますが、この点でフェルトソールは不利と感じました。終始乾いた部分を歩くようにすれば、ラバーソールのほうが良いと思います。
東南稜は2ピッチ目をリードしましたが、2ピッチ目はクラックを登った後、右側のテラスに残置支点があり、右側に誘導された為、ルートが大きく屈曲してしまいました。3ピッチ目は、ビレイポイントから残置スリングの方向へ直上せずに、トポの記載通りに左にトラバースしてからリッジ上を登りました。また、計4ピッチと書きましたが、トポでは3ピッチで終了です。4ピッチ目は、ロープの距離にして40~45mほどで、3ピッチ目同様にリッジ上を登りますが、途中ギャップの通過があるのでロープを使用したほうが安全かと思われます。4ピッチ目終了点には、ビレイポイント用の残置支点があります。
今回も愛用のトライカム(0.25~3.5 計8本)がその威力を発揮しました!持って行ってよかった!
■松本
沢の遡行:マルチピッチ登攀=9:1
泥、苔、草付、浮石、微妙な傾斜のスラブ、錆びてつぶれたハーケン、色あせた怪しげなスリング、ハンガーボルト一切無し、昭和のルート感たっぷり、そしてアルパインクライミング度100%という印象。
アプローチと言われる遡行9割の中には、ロープを出さなかったところでも落ちたらただでは済まない3級程度の岩場がいくつも出てきます。ルート全体を通してまんべんなくピリ辛の要素があるので、アプローチの遡行無くして東南稜の魅力は語れないと感じました。ゆえに最後の東南稜が締めであり、ご褒美としての山頂フィナーレが、より充実感を増す要因なのでしょう。
また、好天に恵まれ、ペースとしてはお世辞にも速いとは言えませんでしたが、大きなルートミスもなく、下山中、夕日を受けた俎嵓山稜や苗場山のシルエットがエンドロールのごとく余韻に浸れるひと時でした。
そしてメンバーのお二人には、私の二十数年来幾度も計画しては、悪天候等による中止でやり残していた本計画にお付き合いいただいたことに感謝です。
■保岡
見晴台から下降してマチガ沢から東南稜取り付きまで6時間弱の遡行、遡行というより半分登攀の遡行。普通の沢を一本やってからの登攀3時間!体力を8割程度消耗してからの登攀は正直きつかった。
登攀は3ピッチと記載されてますが3ピッチ終わってからのギャップと言う稜線が1メートルの間隔で両サイド切れ落ちてる場所を各自ジャンピングする場所が体力的に核心でした。このルートは沢あり登攀ありルートファインディングありの充実なコースでした。
天候に恵まれてこのメンバーで行けた事に感謝します。非常に有意義な山行でした。リードして頂いた松本さん、広ちゃんありがとう!