■2/2(土) 快晴
朝一で都内を出発し、八ヶ岳山荘の駐車場に車を停めた。アイゼンを着けて北沢経由で赤岳鉱泉に到着。今日明日はアイスキャンディフェスティバルが開催されており、人出が多い。テント場を確保、設営してからプロトレックブースにいた牛山さんに挨拶にいった。花谷さんもいた。
挨拶の後、明日のために石尊稜までのルートを偵察に行った。赤岳鉱泉から中山尾根方面に10分くらいで橋に出て、橋を渡ったところからロープをくぐって踏跡をたどった。小同心沢、三叉峰沢のふたつの二俣を右に向かい、石尊稜下部岩壁が見えるところまで踏跡があった。
ここから新雪になり、偵察していた先行パーティーは上部も雪が深そうなので明日は諦めるとのこと。石尊稜3年越しの我がチームはそこからラッセルで下部岩壁のアプローチまで明日のために道を付けた。軽く偵察してテントで宴会の予定だったが、テント帰還が17:30くらいになり、その後のスケジュールを押していった。
酒、鍋、酒、鍋、酒、酒とお湯割り、熱燗で就寝は21:00。
フェスティバル / テント宴会
■2/3(日) 快晴から曇のち吹雪
3:00起き、5:00出発の予定が6時近くになり、朝から重い足を運んだ。
取付きまでの道
下部岩壁取付きへのアプローチは急峻な雪面、草付き、雪稜で厳しいものだった。ルートはわかりやすいがアプローチだけでこのしんどさに暗雲が立ち込める。
下部岩壁アプローチ / 取付き
【下部岩壁】
○1P Ⅳ 45m
先行パーティーが左ルートに取りついていたため、中央ルートのペツルボルトに支点を作った。他に3パーティーが順番待ち。みなさん、登攀用のサブザックにダブルアックスの出立(いでた)ち、縦走ザックにプローブとスコップを差し、縦走ピッケルにワカンを持った我がチームは明らかに浮いている。
スラブ壁で岩に雪はほぼない。下から見ると二つのペツルが確認できる。その上には灌木が散見されるのでアンカーは取れそうだ。終了点は三角形のピークに立木が見える。今日は天候に恵まれてルートがはっきり見えるのがラッキー。岩壁に雪がないので岩角をつかんで、また、プッシュして体を上げていく。中間部にペツルのビレイ点があり、残置スリングが掛かっていた。ここでピッチを切るのは早すぎるので撤退するときの懸垂点かもしれない。中間部からは岩の間に草付きが点在しているのでピッケルで上体を安定させ足を上げていく。ピークに乗越す最後の一歩がハイステップで力も尽きているので足が、ああ足が上がらない。目の前に抱きかかえられるほどの大岩があり、つかまりたいのだがいかにも浮いている。結局木にぶら下がってよじ登った。微妙によじ曲がった立木をビレイ点にして1ピッチ目は終了。
○2P Ⅲ 40m
急峻な雪稜で体力を削られる。ピッケルを刺しアイゼンのキックステップでふくらはぎを酷使しながら高度をあげる。立木をビレイ点にした。この辺りから後続パーティーに追い越され始める。ラッセル宜しく。
○3P Ⅲ 40m
2Pと同じパターンだが、ダブルアックスでフリーで登るパーティーがあった。我がチームは灌木でアンカーを取りながら縦走ピッケルで進む。腕がパンプしそうになったところで立木をビレイ点にした。
○4P Ⅲ 30m
よく覚えていないが2Pと同じパターンだった気がする。
雪のルンゼを右に上がったところの大木をビレイ点にした。
ここから5Pまではコンテで雪稜歩き。数回雪壁をよじ登った。体力がどんどん削られていく。
【上部岩壁】
○5P Ⅲ 40m
階段スラブだが手掛かりが少ない。上部は雪稜で大岩を右から回り込んでビレイ。ここから強風が吹きすさぶ。
○6P Ⅲ 40m
岩のルンゼをひたすら登る。強風と疲労でゾンビのようになっている。ピナクルにロープを巻きつけてビレイ。強風で立っていられないので岩陰に座り込んだ。
ここから雪稜と草付きをコンテで50mくらいで山頂に到達。無意識に握手。
強風と氷の礫で顔面を強打されながらほうほうのていで地蔵尾根を下りた。
上部岩壁最終ピッチ / ピーク
<行程>
2/3 赤岳鉱泉(テント)5:50~橋分岐6:10~アプローチ6:58~1P7:50~2P9:10~3P9:40~4P11:00~5P12:18~6P13:10~山頂13:58~赤岳鉱泉16:10