昨年12月に途中まで登って降雪のため撤退した西上州・マムシ岳へふたたび。今回は上天気で、紅葉を愛でつつ楽しく完了した。
参照文献は打田鍈一『藪岩魂』。
田中の運転でキリンテ登山口に9時過ぎに到着、路肩に駐車。
日向沢を渡って送電線巡視路でキリンテのコルへ上がり、送電鉄塔を通過、紅葉を見ながら急傾斜を登っていく。
間もなく現れる大岩・岩場は踏み跡やテープに従って巻いたり、あるいは正面突破。危険な箇所にはトラロープが付いており、ルート取りに迷う場面も特にない。前回に少し難しいと思った岩場もすんなりと通過してしまった。トラロープ付きの泥急斜面はできるだけ立木や根を掴んでロープに体重をかけ過ぎないよう注意して上る。岩稜、岩場、普通の斜面と交互に出てきて飽きない。
1100m付近の岩場
前回は大岩の頭(キリンテの頭)基部(標高1200m)で撤退したが、今回は問題なし。ただ、基部の岩は赤ペンキの○(ペンキの付いているのはルート中この1ヵ所のみ)よりも左にしっかりしたルートがある。大岩の頭は東の三岐からボンデン山を経る尾根とのジャンクションで、昭文社「山と高原地図」(2018年版)ではそちらにも破線ルートが記載されている(2012年版ではキリンテからの破線のみ)。
緩やかになった稜線を進むとまた岩壁に突き当たる。左側に下がる古びたロープの箇所から登り、わずかでマムシ岳(1307.7m)山頂。地味な山名標が立木に取り付けてある。南側が開けており、先月に前半を辿った三国山から帖付山へのルートも眺められた。
マムシ岳からの眺望
マムシ岳から西へ岩稜を辿り小岩峰を越え、小ピークへの斜面を登り、下りる。
『藪岩魂』には「似たような岩稜が延々と続く。いい加減飽きるころ」とある部分だが、それほどの時間もかからずに「シオジ保護林」の看板の立つマムシのコルに着いた。
ここからは保護柵の付いた遊歩道に沿って下りるが、『藪岩魂』にある通り、途中で柵は消えて沢沿いの道になる。古い石垣や朽ちかけた丸木橋があるので、かつての作業道だったのだろう。日向沢に出る直前で柵が復活。ゲンナイ登山口には「原生林自然観察路」の大看板があるが、標高差300m以上の稜線まで行って戻ってくるだけの道で「自然観察」する人がいるのだろうか。キリンテ登山口までは車道を歩いて戻った。
(文中敬称略)
<行程>
キリンテ登山口9:10~大岩の頭(キリンテの頭)10:30~マムシ岳11:00-11:25~マムシのコル12:25~ゲンナイ登山口12:50~キリンテ登山口13:30