南八ヶ岳・編笠山~赤岳

  • 期間 2018-01-06~2018-01-07
  • メンバー L小林功(32期)、SL田中(35期)、小林英(25期)、宇田川(34期)
  • 記録 田中

冬の南八ヶ岳キレット越えはうわさによるといろいろな因縁があるらしい。
今回の土日月三連休も晴・晴・雨の予報。月曜は大荒れ予想で、計画的にも3日目の硫黄岳は切り離しやすいため、2日で引き揚げることにした。
二日間晴れたといっても強風にさらされ、ラッセルはなかったものの、それなりの充実感があった。無事キレット越えを果たして因縁にけりを着けられただろうか。

■1/6(土)
小淵沢駅から富士見高原までタクシーで3,070円。道路上に全く雪がなく、運転手さんの話でも今年は少ないとのこと。駐車場で装備を整えて入山した。
3時間ほど登るとさすがに雪が増えたのでアイゼンに切り替え、編笠山の取付まで。
山頂が近づいて岩々したところはアイゼンを外してよじ登り、強風の頂上へ。
カップルに写真を撮ってもらい、寒いので早々に青年小屋を目指した。
1_編笠山前後

青年小屋の冬期開放スペースは畳敷きで10畳。住み心地は良さそうだが我々は冬季小屋の裏を整地してテントを張った。夕食は持ち寄りおでん。美味しいし、体が芯からあったまり、goodでした。ただ、4名で一人3品は量が多い。一人2品でよいくらいだった。

■1/7(日)
一晩中吹いていた強風は朝になっても止まなかった。戸外ではすぐに手足が痛くなるほど寒さも厳しいため、装備を整えて日の出までテント内で待機。
日が昇り、動き始めると徐々に体も温まる。樹林帯を抜けてノロシバ、ギボシに上がる急斜面は踏み跡を辿って直登し、権現小屋で風を避けて小休止。緊急避難する人がいたのか、小屋のドアの一部が剥がされていたようだ。
縦走路の指導標に荷物を置いて権現岳ピークを往復する。山頂の岩には雪が着かず、山名板と鉄剣がむき出しに置かれていた。
2_権現岳を背に

先行パーティと情報交換(ハシゴを下りて少し進んでから戻ってきたとのこと)してから長いハシゴを下りる。ハシゴは完全に出ており、下りきった雪面にもしっかりしたトレースがあって困難はなかった。
3_ハシゴの上から下から

旭岳を越え、ツルネの下降点を観察し、キレット小屋付近でツルネの東稜を見ながら一服。キレット小屋はトレースから外れており立ち寄らなかったが、ルートから見えたところでは全体に雪から出ていた。2504m地点を経て岩斜面になると雪が消えてしまったのでアイゼンを外す。一部に注意を要する箇所があったものの、しばらくアイゼン無しで歩けた。要所要所で天狗尾根や真教寺尾根を観察すると、どちらにも取り付いているパーティがいて、この山域の人気の高さが窺えた。

稜線上を登り、文三郎道との分岐にザックをデポして、赤岳山頂をピストン。富士山から南~中央~北と日本アルプスを一望できた。
4_赤岳山頂

行者小屋への下降中、赤岳主稜を登るパーティが見える。普通に考えると遅い時間だが、混雑を避けて登り始め、赤岳展望荘に入る作戦かもしれない。
行者小屋で休憩してから美濃戸口へと急ぐ。途中、完全凍結した沢が美しい。
5_イナバウアーを決めるリーダーイナバウアーを決めるリーダー

今回は全工程を通じて終始トレースを利用でき、ワカンも未使用。風以外は条件に恵まれた山行だった。

<メンバー所感>
■小林功
冬季のキレットを越え静かな森から岩稜を満喫する山行となった。今回のタイミングでは雪が少なくて雪稜歩きが出来ず、夏道に近い山行になったのは残念。
しかし、厳冬期の八ヶ岳、風が吹けば手の先、つま先が一瞬にして冷たくなり緊張が走る場面もあった。雪訓後の初の雪山、重荷にアイゼンワークを確かめられ次の山行につながる良い経験ができました。
英也さん・田中さん・宇田さん楽しい山行でした。ありがとう!!

■田中
寒かったが雪が降らなかったので快調に縦走できた。キレットの岩場の登りは重荷を背負っていたが今までになく軽く登れ、ボルダリングの練習で多少筋力がついたかと思う。終始リードしてくれた功さん、楽しませてくれた英也さん、うださん、ありがとうございました。

■小林英
今回、履き慣れた靴と初めて組み合わせるアイゼンを持参したところ、しばしば外れて着け直しのためにパーティに余分な時間を食わせてしまった。前爪を使って登るなど普通に雪上を歩く以外の動作時に踵が浮いてしまうように思われるが、少し研究してみます。
個人的には過去に2度敗退したキレット越を片付けられて満足。

■宇田川
風は強かったものの終始展望に恵まれ、風景を楽しみながらの山行を満喫できた。
赤岳への登りで若干バテを感じる事もあり今後の山行を考えると体力強化が必要に感じた。
久々の縦走を楽しませて頂きました。

<行程>
1/6 富士見高原9:50~編笠山14:00~青年小屋14:30(テント泊)
1/7 青年小屋7:10~権現小屋9:00~キレット小屋付近11:20~赤岳山頂14:30~行者小屋15:30-16:00~美濃戸口18:20

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