今回、私たちは衝立岩人工登攀の入門ルートと言われているダイレクトカンテに行って来ました。時間の都合で2ピッチ目終了点で引き上げましたが、晴れ渡った一ノ倉沢を満喫してきました。
■日程1日目
水上駅に集合し、マイカーで谷川岳ロープウェー駐車場に向かいます。夜間に雨が降ったのか、濡れた路面を歩いて一ノ倉沢出合へ向かいます。駐車スペースをベースキャンプにして翌日に備えます。
■日程2日目
夜明け前に出発します。前日、中央稜を登った2人組のパーティーから雪渓が大量に残っていること聞いていた為、ひょんぐりの滝上部の懸垂地点で空が明るくなるのをまって雪渓の状況を確認します。雪渓の下を通ってテールリッジへ取り付きます。
晴れた空と衝立岩です。
衝立スラブのトラバース始点です。中央稜取り付き点からテールリッジを数メートル下ったところにあります。所々フィックスロープが無くなってる為、ここからロープを出して確保して、50mロープで2ピッチでアンザイレンテラスに着きます。アンザイレンテラスから右下へトラバースする感覚で10mほど懸垂下降してダイレクトカンテ始点に着きます。
1ピッチ目をフォローする二見さんです。1ピッチ目は始点から右へトラバースし、ごく浅い凹角を直上し、コの字を描くように左へトラバースしていきます。
2ピッチ目をフォローする二見さんです。2ピッチ目は始点から右へトラバースし、その後支点に導かれて左上へ登っていきます。
2ピッチ目終点で私も写真を撮ってもらいます。
【時間の経過】
一ノ倉沢出合(4:10)~衝立スラブトラバース開始(7:15)~2P終了点撤収(15:00)~一ノ倉沢出合(21:00)
【感想】
■木村
今回は、1ピッチ目終点に着くまでに時間が掛かった為、途中で切り上げることを考えましたが、2ピッチ目はせっかくなので登りました。その為、撤収時間が遅くなりました。携帯電話の圏内に入るのが夜遅くなり、下山報告が深夜となりました。深く反省して今後に活かしたいと思います。
2ピッチ目まで登った感想ですが、1ピッチ目がもっとも難しく、衝立スラブトラバースも大変でした。1ピッチ目は、ピッチ開始直後の踏み跡が不明瞭な上に笹藪に覆われていてよく分からず、前日の雨で濡れた草付きと泥で困難で、ルートファインディングも難しく、大きく時間を浪費しました。衝立スラブトラバースもロープを出して時間を浪費しました。とにかく笹薮は滑るのでやめてほしいと思いました。
2ピッチ目は、ネットの情報ではハンガーボルトが打ち込んであるとのことでしたが、実際には本数はとても少ない印象です。正確な本数は覚えていませんが、2本は在ったと思います。ほとんどピトンとリングボルトで、新しいものも古いものもありました。強度を確かめる為に体重を少し掛けると、悲鳴を上げて撓るピトンもありました。その場合は使用を避けるか、避けられない場合は、ピトンのカラビナホールを使わずに、スリングをアゴに巻いて極力負荷を掛けないように登りました。見ただけで危ないと分かるピトンもありました。お蔭でアルパインの人工登攀を楽しめたと思います。
2ピッチ目終点は、大ハングのすぐ近くでしたので、3ピッチ目も登りたかったのですが、撤収のタイミングを間違えてはいけないと思って諦めました。また機会があったら行きたいと思います。
■二見
数か月岳嶺岩、箱根屋沢と三つ峠でアブミの訓練をしてきました。リードするところまで行きませんでしたが、2ピッチ目40mを青空の下で登れ気分は最高です。(ビレーをしている時、テールリッジ取り付き前の雪渓の崩落で事故があったようでヘリがきていました。)
最近このダイレクトカンテルートはあまり登られていないようで踏み跡が消えています。4級グレードは重く相当スピードアップトレーニングをしないと再チャレンジは難しい。
人口登攀のジャンルは新しい課題を提供してくれる。
チャレンジャーのお二方にいつも感銘を受けております。
研究生グループもお二方を見習って精進したいです。