八ヶ岳/阿弥陀岳南稜

  • 期間 2017-01-21~2017-01-22
  • メンバー L鈴木百(25期)、二見(27期)、宇田川(34期)、田中(35期)
  • 記録 田中

冬期縦走登攀プランで阿弥陀岳南陵を目指した。前週(1/14)と前日(1/20)にまとまった降雪があり、さらに翌日の天候も大荒れとの予報でどうなることかと危ぶんでいたがどうにもならず、以下の3点で撤退となった。
 ・テン場から無名峰までラッセルで4時間近くかかり、無名峰から先もラッセルになりそうで時間切れ
 ・無名峰から強風で状況が悪い
 ・午後から荒天との予想

■1/21(土)
茅野駅からタクシーで舟山十字路へ。前日までの降雪で舟山十字路まで入れない懸念があったが、運転手さんが親切かつ有能な方で素早い判断でチェーンを装着し、テールをスライドさせながらもだましだまし雪道を舟山十字路まで登ってくれた。
n1

踏み跡がある広河原沢方面からアプローチ。しかし、踏み跡も林道で消え、渡渉ののち、強引に稜線に直登した。稜線を3時間以上ラッセルして立場岳に到着。闇が迫っていたので山頂標識のそばに幕営した。ちなみに国土地理院地図では立場岳だが山頂標識は立場山になっていた。
n2

■1/22(日)
翌日は3時起床5時出発で無名峰に7時に着いたらアタックする方針で行動開始した。天候は曇りで風が強く、気温が低い。膝から所により胸までの厳しいラッセルで無名峰8:40到着。無名峰から強風で、また、天気は崩れる予報だったので撤退と相成った。
n3

帰路舟山十字路でタクシーを呼んだが100m位手前で車輪がスリップしてにっちもさっちもいかなくなってしまった。通りがかりの地元の人にチェーンをはめてもらい、最後は後ろから押して脱出した。次回からはタクシーには「別荘地のはずれ」で待機してもらうことを心に刻んだ。

<二見所感>
無名峰が目の前の北方尾根との交点2400m地点、急登が終わり広河原沢右股からの吹上が身に応える。ラッセルで時間を取られ、タイムアップで引き返す。予備日もなく仕方がない。
反省点
 1.広河原沢から阿弥陀南稜への取り付きで、カジタのワンタッチアイゼンが装着時に分解してしまった。何とか組み立てるが緩くすぐ外れてしまった。時間がかかるので片足アイゼン、やはり左足がよく滑る。トラブルが無ければ便利なのだが。バンド締めが間違いがない。
 2.軽量化が言われていたが見通しが甘く心拍数「(最大心拍数-年齢)×80%」を超える?ペースダウンになる。周りに迷惑をかける。
 3.旭小屋と出合小屋と混同、稜線を挟んでいる。俯瞰的に見ないと。
 4.チェーンの取り付け方も思い出さないと。

<宇田川所感>
冬季登攀ルートは初の経験であったので岩稜帯までたどり着けなかったのは残念ではあるが無名峰手前から南陵を見ることにより次回リベンジの際のイメージは多少なりとも持つことが出来た。 2週間ほど前に入った南会津に比べると雪が軽く感じラッセルも幾分かマシな感じがした。雪の質によってラッセルの疲労度が変わる事を体感した。テント設営の際に少し安定した層まで除雪するとテントの中が平らになりやすい事も学んだ。

<田中所感>
あの状況で撤退は当然の判断だったと思う。南稜は悲願なので次の機会に賭けよう。ラッセルスピードは、夏の南稜行(立場岳BC)と比較すると以下の通り。
           2015年8月 2017年1月  時間差
 1.舟山十字路→稜線   1:20   2:20  +1:00(+75%)
 2.稜線→立場岳     2:00   3:10  +1:10(+58%)
 3.立場岳→無名峰    1:00   3:40  +2:40(+270%)
夏冬の装備の重量差、それに3.の8月はBCにデポして空身だったのに対し今回はフル装備でのラッセルであることを考えると、全体的には悪くない時間差だと思う。
今回の収穫はラッセルの訓練と「ワカンの紐は外からフリクションが効くようにかけること」を学んだことであった。

<行程>
1/21 舟山十字路11:20~尾根取付12:20~稜線13:40~立場岳16:50
1/22 立場岳5:00~無名峰8:40~立場岳9:40~旭小屋分岐11:00~舟山十字路12:30

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