赤岳西壁主稜

  • 期間 2011-12-31~2012-01-01
  • メンバー 木村広、二見
  • 記録 木村広
 今回、我々が向かった赤岳西壁主稜は、クラシックルートの中でも冬期クライミングの入門的なルートと言われていて、知名度、人気度ともに高いようだ。本ルートは、書籍によれば中級者向けではあるが、規模が小さく危険度も低いとのことで、我々のような3流クライマーでも楽しめる。

12/31(土)
 小淵沢駅に集合し、マイカーで赤岳山荘駐車場へ。林道の積雪量が少なくて、前輪駆動+スタッドレスタイヤ+タイヤチェーンで楽々現地まで行けた。今年は例年に無く積雪量が少ないようだ。行者小屋までの南沢ルートは、堰堤工事のため、短い区間であるが山道が新たに作られていた。終日晴天で、登るなら今日であった。

01 赤岳山荘 駐車場
(赤岳山荘 駐車場) 04 横岳
(横岳) 05 赤岳(行者小屋から)
(赤岳) 1/1(日)  3:00起床。満天の星。天気予報では、気圧の谷が通過する影響で、午後から降雪があるとのこと。早めに登攀を終わらせたい。当初、5:00出発の予定であったが、二見さんと話し合いの結果、主稜取付点へのトラバースは、明るくなってからのほうが良いということで、5:30出発に変更。身支度に時間が掛かり、6:00出発。 07 西壁 取付点 左下のチムニー
(チムニーの様子(写真左下)) 08 取付点へのトラバース地点
(取付点へのトラバース始点) 11 取付点のハンガーボルト
(取付点のハンガーボルト) 文三郎道をしばらく登り、2650m付近から赤岳沢の右ルンゼをトラバースして取付点へ。話には聞いていたが、このトラバースはとても緊張する。取付き点は、顕著なチムニーにチョックストーンが挟まっているのが目印で、ハンガーボルトが打ってあるので、視界が良ければ道に迷うことはない。木村リードで登攀を開始する。1ピッチ目のチムニーは、当初、登り方が分からず、左にルートを取ると、進めなくなってしまったので、再度、チムニー正面をステミングで登ると楽に登ることが出来た。ここは登り方が分からないと、進退窮まってしまうが、ステミングでアイゼンのフリクションが意外と良く効くので、迷わずに正面を登ると良いようだ。その後、雪壁、岩壁を乗り越えて、核心部の岩場へ。核心部は、二見リード。核心部を抜けた後は、一部難しい岩場があるが、山頂までコンテニュアスで行くことが出来る。 14 赤岳 山頂 記念撮影
(赤岳山頂 記念撮影)  12:00山頂到着。二見さんと握手を交わし、記念撮影をする。小休止の後、下山開始。行者小屋に到着後、30分ほど昼寝をしてからパッキングを済ませて、赤岳山荘へと向かう。17:30赤岳山荘駐車場に到着。無事下山となった。 [行程] 1日目 小淵沢駅(11:00)=赤岳山荘駐車場(11:40/12:05)~行者小屋(15:05)テント泊 2日目 行者小屋(6:00)~トラバース地点(7:00)~取付点(7:10)~赤岳山頂(12:00)~行者小屋(13;45/15:10)~赤岳山荘駐車場(17:30) [木村所感]  登攀途中から霧と風が出始めてきて、山頂に着いた頃には、周りの景色が見えなくなっていたのが残念でしたが、憧れのルートを登って山頂に立った時の喜びは一入でした。体調が良くなかった為か、ビレイ中はとても寒かったので、防寒対策をもっとしっかりしていきたいと思います。 [二見所感]  文三郎道は無名山塾に入ってからも何度か登山、下山に使っている。途中主稜を登っている登攀者を目撃していつか登れればなと思ったりして、本を買ったり講師に話を聞いたりしていた。身近な先輩が登り勇気づけられ、リーダーに導かれ一手一足の繰り返しで夢が叶えられた。天候に恵まれたのも大きいと思う。日の出前マイナス14℃、山頂12:00マイナス10℃、風速11m/s、風向:西南西(猪熊氏天気予報より)。積雪量も少なく雪崩れの心配も殆ど無かった。これからどんどん環境の厳しさが増してくると今の実力で可能か?正月休みで数パーテーが入っていたことも幸運だった。一つ一つの難しさは日和田のアイゼントレーニングのほうがあるが、寒さの為のウトウト寝状態での登攀は改めて冬山の厳しさを教えてくれた。

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