8月の技術委員会企画山行である長次郎雪渓に参加できないメンバーで一週早く、同じ剱岳に早月尾根から上がり、別山尾根、剱沢雪渓を抜け黒部ダムに下るロングルートに挑戦してきた。

■8/6(木)
深夜、小林さん車にて二人をピックアップ。首都高、中央道を使い信濃大町駅町営駐車場へ。仮眠を取り明日からの山行に備える。

■8/7(金)　晴れ
電車、タクシーを乗り継ぎ馬場島へ、早月尾根を登り早月小屋を目指す。

信濃大町始発に乗り在来線、新幹線、タクシーと乗り継ぎ、昼前に馬場島に到着。
身支度を整え、水を補充し出発。ここから山頂まで2200ｍ以上の長い登りの始まりになる。

歩き始めてすぐに大杉に出迎えられる。見事な大木にしばし目を奪われる。

その後1000ｍ付近まで登り、少しの緩斜面を挟んで早月小屋まで長い登り。200ｍ毎に標高を示す道標がありそれを励みに登るが、暑さ、長い登りに重い荷物も加わり疲労する。
早月小屋にてテント泊。夕食は水餃子入りキムチ鍋、豚肉タップリをビールと一緒に楽しむ。食当保岡さんに感謝。小窓尾根、マッチ箱を眺めながら団らん。

翌日の行程を考え早めに就寝。

■8/8(土)　晴れ
早月小屋を出発し剱岳から別山尾根、剣山荘から剱沢雪渓に下り真砂沢ロッジを目指す。
今回の山行でメインとなる行程、剱岳山頂を踏んでからの雪渓歩き。中でも山頂直下、別山尾根下りには注意が必要とのこと。

朝食、テント撤収し、最初の目的地である剱岳を見上げながら早月小屋を出発。
登り始めて程なく岩稜帯に。山頂に近づくにつれ鎖場が増え緊張感のある岩歩きになる。
晴天の中、無事に剱岳山頂に到着、長めの休憩を取り眺望を満喫。遠くには富士山や槍ヶ岳などが見える。

別山尾根を下山する。
今回の山行最大の難所であろうカニの横ばいを通過。荷物に振られないよう三点支持で慎重に通過する。その後も緊張感のある鎖場が連続する。

剣山荘で水を補給し、剱沢雪渓へと進む。

雪渓ではアイゼン、ストック装着。岩場に比べ歩きやすいが落石など注意が必要。小林さん保岡さんからアドバイス受けながら進む。途中、次週の技術委員会企画山行ルートの長次郎谷を見上げた。
真砂沢ロッジにてテント泊。
夕食はテント内にてカレーとパスタ。たっぷり食べて明日に備える。
疲労が溜まっているため早めに就寝。

■8/9(日)　晴れ
真砂沢ロッジを出発し、ハシゴ谷乗越、内蔵助平を経由して黒部ダムを目指す。

食事、撤収を済ませ真砂沢ロッジを出発。歩き出してすぐに雪渓に出るが、緩傾斜短距離のためアイゼン無しで通過。
丸太橋にて沢を渡るルートを選択するが橋を発見できず。渡れそうなルートを探すもリスクが大きいため一度戻り雪渓から対岸に渡るルートに変更する。後続パーティーに伺ったところ今シーズンはまだ橋はかかっていないとのこと。途中でアイゼンを装着し真砂沢ロッジ下の分岐路に戻り沢南側を通るルートでハシゴ谷乗越に向かう。
ハシゴ谷乗越からは長い下り。途中、枯れ沢に入る辺りから比較的歩きやすく感じた。
内蔵助平～内蔵助出合間に崩壊箇所あり。補助ロープが張ってあるものの足場が非常に脆く苦労する。

内蔵助出合～黒部ダム間にて雪渓を2箇所通過する。ルート上には雪は無かったが落石には注意が必要。一箇所はスノーブリッジの下を通るようにルートが付いており、スノーブリッジも安定していたので注意を払い一人ずつ通過した。

黒部ダムに到着し、そこからトロリーバス、バスを乗り継ぎ信濃大町へ。大町温泉にて汗を流し帰路に着いた。

●感想
3日間とも晴天に恵まれるという幸運もあり、展望を楽しみながらの山行でした。その分、日差しが強く汗だくになり、特に初日は暑い時間の登りと言うこともあり苦労しました。
岩稜尾根がメインではありますが、スタートの大杉の森から始まり、雪渓歩き、藪道、沢道などバリエーションに富んだコースに感じました。コースの重量感もさすがです。
個人的には重い荷物を背負った状態での鎖場の通過、雪渓の通過は初めてで良い経験をさせて頂きました。
最後に。真砂沢ロッジからハシゴ谷乗越へ向かう登り、枯れ沢のゴーロ地帯で岩の隙間にスマホを落としてしまい、愛知県にある会社の山岳部の方々に力を貸して頂き無事に回収できました。この場ではありますが、ありがとうございました。

＜行程＞
8/7　馬場島11:00～展望台（1047ｍ）12:00～1600ｍ道標13:50～1920ｍピーク15:10～早月小屋16:40
8/8　早月小屋6:00～2800ｍ道標8:15～剱岳9:10～剣山荘13:20～真砂沢ロッジ15:30
8/9　真砂沢ロッジ5:20～ハシゴ谷乗越8:30～内蔵助平10:10～内蔵助出合13:30～黒部ダム15:30