「2014.09.13〜15 野麦峠〜月夜沢峠」概念図
09/13
当初の予定は、「野麦峠〜境峠」であった。月夜沢峠まで1日で踏破する予定であったが、とんでもなかった。野麦峠からは、お助け小屋の左手から高圧線巡視路が尾根に沿って延びている。まずはそれを利用して1800mピークの鉄塔まで上がる。ここからは思い切り背丈が没する藪漕ぎである。次の鉄塔まで2時間半もかかってしまう。鎌ヶ峰を往復する人は、ここまで巡視路が利用出来る。所々踏跡らしきものがあるが、終始藪漕ぎである。途中で、鎌ヶ峰を往復してきた単独行の男性とすれ違う。小さなデバックの軽装である。荷物の違いを言ったところでしょうがない。重荷とヤブに苦しめられ、鎌ヶ峰は17時を回ってしまう。山頂から少し下りた所をテン場とする。もちろん笹薮を押しつぶし、その上にテントを張る。床がふわふわしてコンロが安定しないので外で夕食をとる。オープンテラス!? その代わり寝心地は悪くない。
09/14
鎌ヶ峰まで丸一日掛かってしまって、月夜沢峠からの下山と決まった。問題は今日1日で付けるかどうかである。さっそく鎌ヶ峰からの下りで下降ポイントを逃してしまう。背丈を没する根曲り竹(チシマザサ)の密ヤブの中で有視界飛行が出来ない。もうこれは笹というより竹と云いたくなる程の凶暴さである。おまけに頼りのGPSが樹林や薮のせいか、反応が後追いである。GPSをこれほど使った山行もこれまでなかったが、これほどGPSに振り回された山行もなかった。これまで結構ヤブを歩いて来たが、これほど切れ間なく密ヤブが続く山域は初めてと云っていい。特に所々出て来る根曲り竹の密ヤブには手こずる。そんな還暦過ぎパーティの亀の歩みでは、今日中に月夜沢峠到着も無理となった。
そんなヤブも1861mピークの登りに入るといきなり無くなり、急にちょっと岩っぽい痩せ尾根の急登になる。ちょっといやな予感。1861mピーク付近にテン場を求めようと言う思惑に黄色信号が点灯し始めた頃、目の前に灌木でガードされた岩峰に突き当たったのでした。あれこれ検討した結果、時間、疲れなどこれを越えるのは明朝に先延ばしにしよう! しかし良いテン場がない。それでもなんとか、実に寝にくい狭い場所に強引にテントを張る。人間なんとかなる。結構朝までぐっすりと寝た。
09/15
さあ、今日は朝から岩峰の通過が待っている。最初、左から巻く事も考えたがかなり急斜面で先が読めない。一応、ここは中央分水嶺である。まずは目の前の岩峰を右手から巻くように登り岩峰の上に立つ。巾30〜40cmほどの痩せた岩稜となっている。シャクナゲなどの小灌木に足を取られないように注意して通過。コルに降り立つと目の前は灌木にガードされた岩峰である。こちらが1861mの標高点ピークのようである。立ち木や灌木を手がかりに這い上がる。下りは、シャクナゲの密ヤブにガードされた急峻な岩尾根となっている。真っすぐはとても危険で下りられない。南側の急な斜面を灌木を頼りに10m程下り横にトラバースして核心を通過。こんな藪山の中にこんな岩峰が隠れているのだから面白い。その後は最後のピーク1834m標高点ピークまでは岩っぽい痩せ尾根があったりしてヤブも薄くなってしめしめ!と思いきや、最後の下りはまたも背丈を没する笹の密ヤブの急斜面を泳ぐはめとなる。月夜沢峠まで3時間半も掛かって到着。そこからは2時間弱の林道歩き+タクシーで野麦峠の車に無事到着。
<行程>
09/13
野麦峠 7:20〜No.32鉄塔 7:50〜1861mP 09:20〜R30鉄塔 09:55〜1958.5m三等三角点・塩蔵 11:35〜鎌ヶ峰 17:10〜山頂直下(泊)C1 17:20
09/14
C1 06:00〜1974mP 08:55〜1959mP 12:35〜1861mP手前(泊)C2 17:44
09/15
C2 06:00〜1861mP 06:20〜1834mP 08:00〜月夜沢峠 09:30〜清水牧場 11:30
<1/25,000地形図>「野麦」「寄合度」