鋸岳から甲斐駒ヶ岳を縦走する計画だったが思うようにいかず、今回は鋸岳のみ登頂して終了した。
■11/4(金)
最終のかいじで甲府へ。駅前の個室居酒屋で少しだけ寝る。
■11/5(土)
バスを乗り継いで甲府(4:00)~広河原(6:11-6:50)~北沢峠(7:15)。そこから戸台行きの南アルプス林道バスは丹渓新道との交点で降ろしてくれた。
8時に行動開始。晴れ、気温11℃。踏み跡と赤テープを拾って赤河原分岐に下りる。対岸に渡る橋は丸太一本で覚束ず、裸足で水に入ることに。膝下までで流れも強くないが、水の冷たさにたちまち足が痛くなる。
廃屋となっている丹渓山荘を見上げて戸台川沿いの道を辿る。再び河原に出て赤テープに従って右岸(北側、今回の登路側)に渡り20分ほど進むと崩壊地で行き詰まった。水に入らずに左岸に戻れる箇所を探すが結局ほとんど元の地点に戻って再渡渉。左岸では河原や樹林に赤テープが続いており、10:30に<鋸岳 角兵衛沢>の案内板に到着。
ここは比較的水量が少ないが、やはり靴を脱ぐしかない。各人が先の渡渉で転倒防止用に拾った即席の杖を手に渡る。
鋸岳へは最初のうち樹林の中の緩やかな登り。道の傍らの大きな糞はおそらくクマだろう。1480m付近には「大岩小屋へ」「横岳峠へ」とプレートがあり、昭文社地図にはない道の分岐を示している。
方角を確かめ赤テープに従って岩小屋方向に進むとやがてガラガラと岩が積み重なり、断崖を見上げる(2070m付近)。岩小屋で水を調達する予定だったのだが、ここを偵察した際の勘違いで張り出した岩の下に滴っている水を見逃した。実はそれこそが大岩下ノ岩小屋だったのだが。もっと上かもしれないと200mほど登り、水場が見つからないことで進路相談となった。明日一日を乏しい水で行動するのは無理、行程も予定より遅れていることから、今回は鋸岳登頂のみと決定。
稜線近くまで酷いガレ場で、傾斜の特にきつい箇所では一歩ごとに足元が崩れる。寝不足のためか身体も重い。荷物のデポを考えるが、クマに持っていかれたら大変と担ぎ上げる。日が翳って風が冷たい。
角兵衛沢ノ頭と鋸岳の間の稜線に出て荷物をデポし、急傾斜を攀じ登って第一高点(2685m)に到着。すでに15時近く、頭上にのしかかる雲で薄暗い。甲斐駒方面はアップダウンが続き、たとえ水があっても今から突っ込むのは厳しそうだ。
岩小屋(があるはずの地点)まで下ることも考えたが、消耗したので稜線直下にテントを設営(適当な場所が2箇所あった)。水は3人分を出し合えば炊事と明日の岩小屋までの行動には足りる。テントに入ってからの会話で岩小屋の勘違いに気付いた。甲斐駒からルートを逆にとった記録を事前に読んでいたのだが、甲斐駒の六合目石室(石積みの小屋)と鋸岳の岩小屋とを混同していたのだ。
しばらくすると雨。夜中には風も吹き、シングルウォールのベンチレータから雨が吹き込んで冷たい思いをした。
■11/6(日)
6:10出発。曇り、気温6℃。風が強く肌寒い。
ガレ場の大きな石は濡れて時として滑り、小さな石が積もっているところは足元がジャリジャリと崩れていく。稜線から離れると風は止み汗をかいての降下となった。
昨日の岩壁まで来て、岩小屋と水場を確認。昨夜の雨で水量は若干増えたようで、苔から(雫ではなく)連続して落ちていた。角兵衛沢案内板の箇所の渡渉も水量が増えた感じ。今度は素直に左岸を進み、もう一度渡渉して赤河原分岐への道に入る。丹渓山荘を通過して八丁坂を上がり、11:50に北沢峠着。鈴木と小林は登りの渡渉に使った杖が手に馴染んで最後まで持っていた。
今回、計画通りに行かなかった原因は3つ。
・睡眠不足による疲労
・角兵衛沢までの迷走による時間ロス
・岩小屋の勘違い(思い込み)による水の調達失敗
思い込みには注意しよう。
<行程>
11/5 南アルプス林道8:00~赤河原分岐8:50~角兵衛沢案内板10:30~大岩下ノ岩小屋12:30~鋸岳・第一高点14:40~稜線下(テント)15:00
11/6 稜線下6:10~大岩下ノ岩小屋7:20~角兵衛沢案内板8:50~赤河原分岐10:00~北沢峠11:50