西武秩父駅にて集合し、マイカーで現地駐車場まで移動。天気は晴れ。梅雨明け直後の良い天候となった。
駐車場で入念に準備体操をして出発。取り付き点までは、股峠を南に乗り越して、分岐をローソク岩方面へ取り、祠エリアのクライミングエリアを横切り、しばらく登山道をすすみ、ローソク岩分岐よりも手前の赤杭を目印に、右に登っていく。踏み跡は明瞭だ。赤い大きなドラム缶が取り付き点の目印となる。予想はしていたが、蒸し暑さのために、取付き点に着くまでに、体が汗でびっしょりと濡れる。
今回の登攀におけるチーム分けは以下の通り。
先発:木村(奇数ピッチリード)、二見(偶数ピッチリード)
後発:田口(1、4ピッチリード)、松井(2、5ピッチリード)、浦野(3、6ピッチリード)
1ピッチ目
前日に雷雨があった由、岩が濡れている。乾いている部分を縫って登る。ちなみに、試しにカムをセットしてみたが、濡れた石灰岩のためか、まったく効かない。樹林帯から抜け出ると、直射日光を浴びるようになる。
<1ピッチリード木村>
2ピッチ目
ルンゼの左壁のフェースを登る。途中、右にトラバースし、ルンゼ左側を登っていく。
<2ピッチリード松井>
3ピッチ目
書籍には、ここのクラックが核心部と記載されている。クラックは体がぎりぎり入らない程度の広さがある。途中まで、レイバックで登るが、A0、A1を駆使して突破し、大テラスに抜ける。全員で大テラスで一本とる。
上<3ピッチ終了点から二見>
中<3ピッチリード浦野>
下<3ピッチ終了点から浦野>
4ピッチ目
壁の右側から階段状に左にトラバースしていく。
上<4ピッチリード二見>
下<4ピッチリード田口>
5ピッチ目
やや左方向に直上した後、右に少しトラバースし草付きを上がる。
<5ピッチリード木村>
6ピッチ目
ビレイポイントから、ふと目を東に向けると、岩壁のわずかな草付きにニッコウキスゲが咲いている。両神山は山頂部分が低い雲で覆われているが、青空の下、遠い稜線が見渡せて、高度感もあって、気分は爽快だ。
二見さんリードで取り付き。ビレイポイントから真上に新しい残地ハーケンがある。これを目印としたため、ルートを右にとるが、これが以外と難しい。松井チームは左にルートを取り、楽に進んだようだ。終了点には、頑丈な懸垂下降の支点があるが、この手前でピッチを切っても問題ない。ピッチの途中から、階段状となり、歩いて行ける。
[行程]
西武秩父駅(8:20)=二子山駐車場(9:30)~股峠(9:40)~中央稜下部取り付き点(9:55/10:30)~終了点(16:30)~西岳山頂(17:20)~駐車場(17:50)
[所感]
<木村>
まさに灼熱地獄。季節はずれの二子山中央稜ということで、暑さは覚悟していましたが、覚悟だけでは、どうにもなりませんでした。核心部の3ピッチ目に行くまでに、体力を消耗し、3ピッチ目は結局A0、A1に頼らざるを得ない状況になってしまいました。手足や内臓が痺れてきたので、大テラスでハーネスを取って、衣服を緩めて、日陰で横になって休み、体温を冷まして回復するまで時間を取ってしまいました。パーティーの足を引っ張り、申し訳ないことをしました。
ルートについては、フットホールドは乏しいですが、手指がしっかりとかかるホールドが多く、浮石もほとんどないので、思い切って登ることができます。ただし、ムーブの解決には時間がかかりました。なかなか頭を使うルートで、その点では、日ごろ練習場所としている、つづら岩よりも難しいと思いました。
<松井>
5月に計画をたてたものの、スケジュール調整と雨で延びに延び、炎天下での登攀となってしまいましたが、そのせいか他には誰もいないという状況だったため、落ち着いて岩に取り組めました。
どのピッチも、事前に調べた記録に書かれていたグレードより上に感じられ、緊張しましたが、他にも第5ピッチの狭い終了点で2人を時間差で引き上げた際ロープを上手く処理できず、次の6ピッチに進む前に結び直すということがあり、個人的には(ムーブ面はもちろんですが)ロープワークに課題が残りました。
<西岳山頂>