八ヶ岳・杣添尾根

  • 期間 2012-02-11~2012-02-12
  • メンバー L鈴木百(25期)、小林英(25期)、加藤(29期)、一宮(29期)、荒田(30期)、鈴木利(30期)、福本(31期)
  • 記録 荒田

■2/11(土)
野辺山駅に集合し、海ノ口別荘地の横岳登山口でタクシーを下車する。登山届をポストに提出して登り始める。富士見岩遊歩道の道標を追いながら、しばらく別荘地の中につけられた登山道を行く。遙か遠くに横岳を仰ぎながら歩き続ける。
写真1a

トレースはしっかりとついて、雪は固く締まって歩き易かった。空は晴天だった。富士見岩へ行く道を右に分けて、杣添尾根と書かれた方へ進むと、やがて南八ヶ岳林道にぶつかる。東屋と大きな看板があり、その奥が尾根への取り付きになっている。しばらくは急登だ。森林限界を越えた2,580mあたりの平坦な場所を探し、狭い尾根をスコップで整地し、尾根伝いに3つのテントを張る。日没後、テント内で過ごすうちに冷え込んできた。空は澄み渡り、夜空が綺麗に見えた。
写真2a

テント内で床を濡らすというトラブルもあったが、夕食と水作りを終えて23時頃床についた。夜から風の音と冷え込みがさらに強まり寒さで何度も目が覚めた。

■2/12(日)
3時30分に起床。まだ暗い中、朝食を済ませ、テントを撤収して5時45分に出発した。昨日とは打って変って天候が悪くなっていることを肌で感じながら三叉峰を目指す。

稜線に近づくにつれて、雪粒混じりの風が強くなり顔が痛く、急登に足が重い。いよいよ岩稜帯に入り、岩にアイゼンを引っ掛けないように注意しながら進む。滑落したら止まらないと思えるほど斜度がきつい。

三叉峰ではさらに強い風の洗礼を受ける。風に向かって目を開けるのも辛い。耐風姿勢を取りながら北へ進むか南へ下るかの判断を行い、比較的風が弱く歩く距離の短い南ルートへ変更する。風雪で視界が悪く、トレースも消えていたため、目視でルートファインディングしながら進む。先行の2人パーティが道を見失ったと言って戻ってきた。鉾岳の茅野側を巻くトラバース道は完全に雪に埋まり、雪壁となっていた。彼らは少し手前で岩峰へ上がってしまったようだ。雪の斜面にピックをつき刺し、アイゼンの前爪を蹴り込んでトラバースし、雪が凍り付いたクサリ場を登って無事に日ノ岳の稜線に出た。自分一人でどれだけのことが判断できたのだろうかと思うと怖かった。

やがて凍りついた地蔵仏に迎えられて、地蔵尾根を下る。アイゼンをつけていても油断すれば滑るほどきつい斜面に対して体を横に向けて時には後ろ向きで下る。登りは根性、下りは技術と教わったがまさに下りは歩き方や道の選び方で歩く安定感が全然違うことを感じながら、まだうまく歩けない自分に苛立ちも感じた。

行者小屋について振り返った八ヶ岳連峰は神々しかった。暫し山に見惚れ、地蔵の頭から自分たちが下ったルートを振り返る。小屋からは柳川南沢に沿って下る。途中にアイスクライミングのゲレンデがあるとのことで見学にきていた人とも出会った。美濃戸山荘から美濃戸口まで林道を歩き、15時のバスに乗車し帰路に着いた。
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軽度の凍傷になったメンバーもいて厳しい山行だったが多くのことを学べた。体力と機敏な動きと適切な判断を行うための知識や経験、これらすべての総合力が試されるのが雪山山行であり、次回に向けてもっと力をつけたいと思った。

<行程>
2/11 海ノ口自然郷横岳登山口11:15~尾根上2580m(テント)16:10
2/12 テント5:45~三叉峰7:30~地蔵の頭9:25~行者小屋10:20-11:00~美濃戸山荘13:20-13:40~八ヶ岳山荘14:45

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