入会してから随分と遠回りになってしまったが、いよいよ一ノ倉沢の岩壁を登ることになる。
今回の登攀対象は一ノ倉でも人気のクラシックルート、烏帽子沢奥壁・南稜だ。
最高ピッチグレードはⅣ+だから、条件さえ整えば十分に余裕を持って登れるはず。
当日の朝4時、谷川岳ベースプラザを出発する。
所定の計画書を谷川岳登山指導センターに投函し、一ノ倉へと向かう。
一時間ほど車道を歩いて一ノ倉沢出合に到着。ここでハーネス、ヘルメットを装着する。
ヒョングリの滝の右岸を高巻くと、懸垂支点にたどり着く。
あれ~?木村こうちゃんの写真ではまだスノーブリッジがあったはずなのに、たった一ヶ月で跡形もなく消えてしまったな。
ちょっとびっくり。
懸垂下降で30mほど降って、テールリッジの末端へ。
テールリッジを登って、烏帽子スラブをトラバースし、南稜テラスへ。
人っ子一人いない一ノ倉は貸し切り状態。
核心の最終ピッチ(6ピッチ目Ⅳ+)は僕がやらせていただく。
ということで奇数ピッチは松本さん、偶数ピッチが僕。
1P目(30m スラブ状フェースⅢ、チムニーⅣ)
松本さんリード。
チムニーの出だしが難しいぞ。。
岩が濡れてたらたまんないなぁ・・と思いながら足を突っ張らせて登り、1ピッチ目の終了点へ。
2P目(25m Ⅲ+ フェース)
土方リード。
ホールド、スタンス、残置支点が豊富。
岩が乾いていて登りやすいんだけど、若干緊張しているのでランナーはマメにセットしていく。
3P目(50m Ⅰ~Ⅱ)
松本さんリード。
癒しの歩きルート。
4P目(25m Ⅲ)
土方リード。
フェースを左に回り込んでリッジを登っていくルート。
「土方君、ルート間違えてるよ!」
正規のルートからはずれて6ルンゼのほうへ来てしまったようだ。
しまった。。
ひとつ目のビレイポイントをスルーして、その先でピッチを切ろうと事前に打ち合わせた。
が、行き過ぎてしまったようだ。
クライムダウンで正規ルートへと戻る。
さて、気を取り直して5ピッチ目へGO。
5P目(30m Ⅳ-)
松本さんリード。
快適なリッジの登攀。
抜群の高度感!テールリッジが遥か眼下に広がる。
地上数百メートル、圧巻の眺めだ。自分撮りしよう。
6P目(20m Ⅳ+)
土方リード。
最終ピッチは垂直のフェース。南稜の核心だ。
ラスト2mの場所で良いホールドが見つからない。
あー、どうしよ、参ったな~。
でも、スタンスはしっかりしてるから一段上がってから考えよう!
ヨイショ!と一段上がって上部に手を伸ばすとガバがある!
ホールドをガッチリと掴んで、これで完登だ!
下りは稜線へと抜けず、6ルンゼを懸垂下降した。(5ピッチほど)
【行程】
谷川岳ベースプラザ(4:00)~一ノ倉沢出合(5:00)~南稜テラス(7:20)~終了点(10:30)~一ノ倉沢出合(14:15)