飯縄山は、いわゆる「北信五岳」の一つ。平かな頂上稜線を持った大らかな容貌の山で、コニーデ型独立死火山なのだそうです。
天気は薄く雲のかかる晴。気温は高め。風はやや強い。戸隠スキー場中社側からリフトを3本乗り継ぎ、飯縄山の衛星峰・瑪瑙(めのう)山直下へ。ほんの一登りで、瑪瑙山山頂。これから取り付く飯縄山の尾根が結構そそり立って見える。下りに使用する飯縄山の長い西尾根は、これは穏やかな樹林の尾根として望見できた。
瑪瑙山山頂から東南方向へ伸びる尾根を1639mのコルまで滑降。低灌木がまばらな滑りやすい斜面だった。
コルでシールとスキーアイゼンを着け、飯縄山に取り付く。雪面は程良く固く締まり、シール登行はし易かった。灌木の中を時折急斜面を交えながら高度を上げていく。急斜面では灌木を縫うように細かく方向転換が必要だった。こんな時、スキーアイゼンは頼もしい!
登り付いた飯縄山山頂からは360度の大展望が楽しめる。薄く雲がかかっているが、高妻山が白く屹立して眼を惹き、その隣に戸隠山の岩稜が屏風のように立ちはだかっている。重量感有る黒姫山やその奥に妙高山や焼山、ぐるりと眼を転ずれば、長野市内が遥かに見渡せる。せっかくの展望なので大休止。登り途中は風が強かったが、山頂近くにきてパタリと止んだ。
下山は、山頂からシールを着けたまま頂上稜線を飯縄神社のお社の所まで辿り、そこでシールを剥がして西尾根の滑降に入る。滑りだしの標高差100~150mくらいは疎林の中を気持ち良く滑降できた。西尾根は途中で何度か尾根が分岐していくので、瑪瑙山を終始視界に入れながら、また、分岐点で方向を確認するのがポイントとなる。快適な滑降が終わると、標高が下がるにつれて樹林が次第に密になり、また雪質は湿重雪や木陰の固雪に変わってきた。結構、これしんどいのです。樹林帯の中を赤テープを目印にひろいながら、時々方向を確認して、ほぼ夏道がらみに下っていく。萱の宮の鳥居は半分埋まっていた。
西登山道の登山口の林道に下り着き、林道を除雪地点までスキーを走らせていく。「戸隠神告げ温泉」の所で雪が切れ、板をはずして中社へもどった。
この日は飯縄神社から滑降を始めた時に西尾根を登ってきた登山者2名に遭遇したのみで、大変静かな飯縄山を楽しめた。