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真っ青な
空を見上げて
生き返る
凍てつく冬の
八ヶ岳なり
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稲子南壁をのぞむ
今季初の八ヶ岳。
秋に入会した池松さんが冬山装備を揃えたことを受け、今後の山行に向けてステップを刻もうと、積雪期のテント泊体験を目的に企画した。
■12/29(日)
当初は安永さんも入れて3人組だったのだが、前夜に体調不良とのことで急遽電車アプローチに変更。
行きの小海線の中で小海タクシーに電話するも予約で一杯らしい。代わりに隣町の八千穂タクシーを紹介してくれたので松原湖で下車、そこで予約済みの方に頼み込んだところ、快く相乗りを許可してくださった。最初の核心部は乗り越えた。
稲子湯でタクシー下車、装備を整える。
手順を確認しながらビーコンのグループチェックを行い、出発した。最初こそ日差しがあり暖かかったが、初日の天気は強風、そして昼前後より夕方まで降雪の見込み。
しらびそ小屋に着く頃には曇天となり、時折突風が吹いて小雪が煙のように舞う。小屋の軒下で強風に吹かれながら、行動食をかじり、迷う。ここで刻んでも良い。昨日からずーっと迷ってきたことだ。雪山を初めて登る池松さん。ここまでで既に400mは登っており、中山峠を越えるにはさらに400mも登らねばならない。
まだ元気で行けそうとのことなので進むことにした。ここからしばらくは平坦だけれど、風雪の中時間をかけるより、ここでアイゼンを着けてしまうことにした。ヘルメットも装着。
しらびそ小屋から先は誰にも会わなかった。静かな静かな樹林帯。
段々と傾斜がキツくなっていくが、心なしか風がおさまった気がする。曇り空だけれど、うっすら空も明るい。地形のおかげか天候が好転したのか分からないけれど、お天気の神様に守られている気がして、予定通り黒百合ヒュッテまで行けることを確信した。
中山峠直下の50mの急登はトレースこそあれど、初めて登る人を連れてきてしまって大丈夫だろうか、転げ落ちはしないかとドキドキした。そんな自分の方が足が震えかけていたかもしれない。この判断が良かったか分からないが、足元を見た方が安心してサポートできると思い、稲子湯から変わらず先頭を歩いてもらった。トレースが無かったら私がトップを行くべきだったと思う。
15:50、中山峠に到着!
前に来た時の印象は、ただの曲がり角。今回はこれが最高ピークかのように達成感が大きかった。強くハイタッチ。さすがにここは西からの風が強い。足早に黒百合ヒュッテに向かい、テントを設営した。
■12/30(月)
起床時、小屋前の温度計で-14.5℃。目標6:30のところ7時になってしまったが、今日は時間に余裕があるので焦らず出発。
中山峠近くで、樹林帯に金色の光が差す。ちょうど東側の空に日の出が!
中山峠がさらに好きになってしまった。
東天狗への登りは、樹林帯から出たら西側斜面のトラバースだった記憶。しかし、いつの間にか大きめの岩場の稜線に。あらっこんなところ通った記憶ないな・・・
(帰宅して記録を見返したら、やはり以前は樹林帯の中を突っ切っていた。今回は緑のロープが張ってあり、さすがに通るのを憚られる感じ。道迷いが多いのかな)
池松さん、真新しいアイゼンでいきなりの岩場。落ち着いて通過。トラバースの斜面はまだ日が当たらず、西風が強くなってくる。
東天狗に登頂。コルに行って少し休憩。
西天狗の直下で岩場をトラバースする箇所あり。下りてきた人とのすれ違いに少し冷や冷やする(こんな場所でピッケルではなくポールの人もいるんだな)。
目標の10:30頃に黒百合ヒュッテに戻った。
テントを撤収し、少しだけビーコンの練習。カラダにつけているのがナニモノか少しでも理解できた方が良いだろうと思い、軽く雪の中に埋めてテン場の端から捜索体験。
12時少し前に出発。
13:40頃、渋の湯に下山。アイゼンを着けたまま下りてしまったが、今回の雪質だと無くてもよかった。
渋の湯に入り、最終バスで茅野駅へ。
茅野駅前のお決まりの蕎麦屋さんで祝杯をあげ、あずさで帰還した。
<行程>
12/29 稲子湯10:50~しらびそ小屋13:10-13:40~中山峠15:50~黒百合ヒュッテ16:00(幕営)
12/30 黒百合ヒュッテ7:00~東天狗8:20~西天狗9:05~東天狗9:40~黒百合ヒュッテ10:40~渋の湯13:40
<所感>
○池松
谷川でのピッケル、アイゼンワークなどの研修を経て、初めての雪山テント泊。雪山歩行の確認とテント泊の様々なノウハウを実践で教えていただき、覚えることの多い山行でした。またビーコンの使い方や捜索時の大まかな流れ、岩と雪のミックスでの歩行が出来たことも今後の為に良かったです。荷物の選択や整理、パッキングなど課題は山積みと感じましたが、何より雪山の世界が素晴らしく虜になりました。
終始アドバイスいただきました秋永リーダー、ありがとうございました。
○秋永
今シーズン初の雪山。仕事で雪訓に参加できなかったので、基本的なアイゼン・ピッケルワークを確認しながら登った。しらびそ小屋で刻もうか迷ったが、無事に初日に中山峠まで到達できて嬉しい。また、今回初めて東から西に抜けたので、それもプチチャレンジとなった。今後も八ヶ岳で着実にステップアップしていきたい。