三連休が久々の好天予報のため岩登りがしたくなり、男山ダイレクト、天狗山ダイレクトに行くことにした。下山が登山道なので懸垂下降が無いぶん心が軽い。数少ない経験の中で、やはり懸垂が一番怖いと思っている我らだ。
■10/12(土):男山ダイレクト
登山口から一般道を標高差300m登る。分岐を左手に入り、小川を越えて尾根筋を登る。
急峻な尾根筋(下の写真・左)から、1620地点で左の尾根にトラバースして乗り換え、100mほど登ると大岩(下の写真・右)が現れる。
ネットには取付きの道を間違えたとの記述が散見されるが、我らも若干ウロウロ。大岩の右を巻いてすぐ左手に登ったところで取付きに到着。
○1P 40m Ⅲ 八重樫
易しいがハーケン等がないためフリー気味。
○2P 40m Ⅲ 鹿内
カムを使って支点を取る。ハーケンが1個ある。
○3P 20m Ⅳ+ 八重樫
岩が脆く小石が多い。はじめの3mほどが核心。垂直だがホールドは多い。
以降は岩歩き。景色が良い。
山頂から、明日行く予定の天狗山が見える。
アプローチと下山が大変長いのに比して登攀はすぐに終わったが、ロープワークの確認などできて良かった。八重樫は右耳がほとんど聞こえないので、小型の無線機が意思の疎通に便利だった。
<10/12 行程>
男山登山口7:00~分岐7:50~取付き10:00-10:30~男山山頂12:30-13:30~駐車場14:45
■10/13(日):天狗山ダイレクト
アプローチが短いとのネット情報だが、昨日の疲れと筋肉痛とでキツく感じる。
早朝は霧、やがて若干の雨も降り、自分の中の悪魔がもう帰ろうと囁くが、しばらくすると晴れてきたのでとりあえず取付きへ。着いたところで無線機を忘れたのに気づく。
○1P 30m Ⅲ 鹿内
簡単だが苔で滑る。
○2P 20m Ⅲ 八重樫
岩が脆い。
○3P 25m Ⅱ~Ⅲ 鹿内
斜度は緩い。
○4P 30m Ⅳ+ 八重樫
カムを使ってクラックを登る。
○5P 鹿内
コンテ後にロープを解除し、歩く。
○6P 40m Ⅳ 八重樫
鹿内はここに一番手こずった。チムニーをレイバックで登るか右側を登るかなのだが、レイバックで左に乗り換えるのが苦手なムーブだったので右を行こうとしたところ、後続のパーティーの方から「左だ」等々お声をいただく。焦りながら色々やっているうちに手がパンプしてしまった。結局お助け紐をかけてもらったが、登ってみると割とすんなりだったので、やはり焦るとロクなことがない。本来7Pの前半に当たる部分もこのピッチで続けて行ってしまったようだ。
ここで事件も。自分は見ていなかったが、我々を抜かしていった先ほどのパーティーの男性がリードで3mほどグランドフォールしてしまったそうだ。クライミングシューズを忘れアプローチシューズで登っていたらしい。それでも登れる状態とのことで先に行ってしまったが、大丈夫だったのだろうか・・・
○7P~8P
歩いた。
○9P 25m Ⅴ- 八重樫
本来なら鹿内のリードの番だが、もたつくと後ろの2パーティーを待たせてしまうため、八重樫に交代した。ネット情報ではここと10Pが核心のようであるが、個人的には6Pのチムニーよりも登りやすかった。ただ、とても岩が脆く大きい岩が動いたりするのには注意した。
○10P 15m Ⅴ- 八重樫
一瞬だけハングのある壁を登る。ボルトもある。リードの八重樫は右側にあるクラックの壁が窮屈そう。ここは身長の低い人の方が登りやすいと思う。細かく手や足場があるのだが、一見それがないように見えて怖いのが難点。
○11~12P
11PはⅢだが一瞬なので、ロープを解除して、そのまま頂上まで歩いた。
頂上からは昨日登った男山が見える。
全般的に集中していたため、写真はほとんど撮れず、時間もかなりかかってしまった。
ここは人気のルートで我々を含め4パーティーがいたが、うち2パーティーはシングルロープだった。シングルだと掛けた支点が落ちたらバックアップになるロープがないので怖いと思っていたが、登ってみたらなるほど、人工支点(全ピッチで4つ程見た)は非常に立派なものだし、立木はしっかりしていて折れる心配もなく、さらに懸垂下降もないので、シングルの方が圧倒的に便利そうだ。
<10/13 行程>
登山口6:00~取付き7:30-8:00~天狗山山頂13:00-13:30~駐車場14:00
男山・天狗山いずれも人工支点が最低限しかなく失敗できない緊張感はあったが、楽しい山行だった。
<主な装備>
50mハーフロープ×2、クライミングシューズ、カム