出発前にリーダーの小林正樹さんから、基本的なことを教わった。
・地形図は全体概念の把握に25,000分の1、詳細の把握に12,500分の1の両方を用意すると良い。25,000の方は、1ミリよりも小さなものは省略されてしまい、また支尾根の分岐などの細かい形状を捉えにくいため。
・基準点は三角点、水準点、電子基準点等をいい、標高がメートル以下1位まで記載されている。一方、標高点はメートル単位(ただし、現地測量されたものはメートル以下1位まで)の記載。
(⇒ 国土地理院/基準点とは、国土地理院/地図記号一覧)
電線などの人工物はわかりやすい特徴の一つだ。30分ごとを目安に先頭を交替。コンパスを合わせて角度を確認し合う。また、進む先の注意点や注目すべき特徴を仲間に伝えてから出発。このかたちを繰り返した。
序盤、960mの屈曲点までは急登で汗が噴き出る。その後方向を変え1044ピーク以降は緩やかで、風も出てくる。少し涼しくなってきた。意外と細尾根で気を使う。途中左手に少しだけ展望が望め、送電線が見える。後ほど横切る予定のものだ。
1200m付近から露岩が出てくる。尾根が細く、岩がパリパリと剥がれそう。しっかりと岩を押さえ込んで、直登。
1290mからは東に進行。ランドマークとして、最初のコルで送電線が横切る。少し屈曲しているし尾根を乗り越すので、そこに鉄塔があることは地形図からも読み取れ、現物を確認できた。
笹子雁ヶ腹摺山からエスケープルートの南尾根(一般道)を下降という考えもあったが、当初予定より早く進んでおり、雨もまだ降らなさそうなので、予定のルートを歩き通そうという決断をした。
山頂から100メートル以上くだり、その後ハセツネを思わせる小刻みなアップダウンを繰り返しながら登っていく。
一部箇所では展望がよく、米沢山(よげさわやま、1357m)、お坊山、そして下山に使う尾根を見通すことができた。けっこうな距離感があり、歩き通せるかしらとちょっとだけ心配になる。
支尾根の分岐に注意。現在地を都度口に出しあって確認する。地形図に記載されている笹子トンネル(自動車道)・新笹子トンネル・笹子トンネル(鉄道)の3本の線が、「ここはXXトンネルのあとのコル」などと、口頭で尾根上の現在地を確認するのに便利であった。
お坊山の道標は新しい。ニスが良く塗られたつるつるの綺麗な看板。県産の木材を使用しているのだとか。
お坊山以降、後半は完全に踏み跡がない。時折鹿の気配(足跡、糞)を感じながら進む。タマゴダケも発見。
棚洞山(1201.4m)を経て入道山(992m)へ。その直後の支尾根の分岐はとてもわかりづらく、コンパスと尾根の傾斜や長さを確認しながら進んだ。
891ピークで最後の休憩。800m付近から下は、ひっくり返りそうなかなりの急傾斜。滑りやすい落ち葉の堆積やザレをくだる良い練習に。新雪になぞらえて踵のキックステップを使い、多少の滑りは怖がらずに下りていくことができた。お坊山登山道と書かれた古い看板を発見。こんなところが登山道だったの?!と看板に話しかけてしまう。
最後の最後、中央道がもう目の前。無事に下りられるかしら。
瓶や茶碗のカケラなどが足元に。おそらく登山口が近いのだろう。そのまま尾根を下り切ると排水路があり、無事に下山することができた。
<行程>
甲斐大和駅9:00~取付9:15~1044ピーク10:20~1066地点10:45~1290ピーク11:30~笹子雁ヶ腹摺山12:10~米沢山15:15~お坊山14:05~棚洞山14:50~入道山15:20~登山口16:20~笹子駅17:00