マスキ嵐沢

  • 期間 2024-06-08
  • メンバー L秋永(42期)、鹿内(42期)、中村(42期)
  • 記録 秋永

同期のメンバーで沢の経験を積みたいと思い、企画した。勘七ノ沢に行けるようになりたいのだが、1級上だし、長くて大変そうだ。同じ丹沢のなかで1級の沢を探した結果、西丹沢・中川川水系の「マスキ嵐沢」に行くことにした。
マスキ嵐沢は表丹沢の葛葉川本谷と同様に初級の沢であり、かつナメの美しい「癒やしの沢」として紹介されている。天気も良く、沢日和になりそうだ。

07:40に小田急線新松田駅に集合し、7:45発、西丹沢ビジターセンター行に乗車。1時間ほどバスに揺られ、大滝橋にて下車した。


東海自然歩道からしばらく大滝沢沿いの林道を歩く。ほどなくして丸太の橋を渡ると出合に到着だ。

入渓点
しっかりとした看板があり、わかりやすい。沢装備を身につけ入渓。


最初の滝。感触を確かめる。


5m前後の滝が続く。それなりに釜があり、葛葉川よりも登攀要素があって楽しい。ぬめりの強いところもあり、油断はできない。


日も差し込んで、噂通り、本当にナメが美しい。一同、何度も「綺麗だ~」とつぶやき、景色を楽しみながら進んでいく。


7mの靴底型の滝。まだ6月頭で水が冷たいので、水流の中でホールドを探して迷っていると手がかじかんでくる。中村さんは持ち前の腕力と柔軟性で、瞬く間に登っていった。これはチャンスと、ロープを落としてもらって、練習がてら立木でのビレイをお願いした。そうこうしているうちに後ろから別パーティーが追いついてきた。


ほどなくして、苔の多い涸れ沢に。これまで経験した奥多摩の沢などでは、水流が無くなったあと、倒木・虫・蜘蛛の巣・泥など、色々と避けながら進むことが多かった。一方、このマスキ嵐沢はますますその魅力を増して、幻想的な様子に。この写真の奥に映るのが、最後の2段の涸れ棚だ。


10mの涸れ棚には、抜かしていった別パーティーが取り付いている。右のザレを高巻いて、上からロープを垂らしてビレイするようだ。我々はゆっくり観察し、ここでも中村さんがリードしてくれることになった。途中2箇所ほど、ハーケンがある。ロープワークの確認もしながら、3人とも安全に登ることができた。


詰めの様子。白い砂のようなザレが続く。短いが、写真以上に傾斜が強く、息が荒くなる。とある記録で見たとおり、最後は木の根から太めのお助けロープが垂れており、それを掴んでゴボウで這い上がった。

箒沢権現山
1040m付近のコルに上がってからは意外と細尾根で、ゆっくりできない。もう100mほど急登を詰めて、1,138mの箒沢権現山のピークに到達した。「土管のベンチがある」という記録を見ていたので山頂だと分かったが、看板もない・・・うろうろしていると、幹に赤い文字で標高が記載されていた。


さあ、下山だ。遡行図などでは、南西尾根(藤嵐沢への迷い込みに注意)や、北側の下棚への一般道を下ることが多い。今回は西丹沢ビジターセンター発のバスに乗るために、東尾根(と命名)のバリエーションルートを辿ることにした。読図の練習にもなると期待していたのだが、山頂と同様の赤いスプレーで、嫌というほどあちこちにマーキングがしてあり、残念ながら(?)道迷いの心配はなかった。ただし、写真で伝わりきらない結構な急傾斜かつ細尾根で、深い谷に転がり落ちないよう気を遣いながら下りていった。

西丹沢公園橋
東尾根の終盤は支尾根が複数広がっており、3人で話し合いながらルートファインディングをする。バスに間に合うだろうかと少し心配したが、予想以上に早く下りることができ、安堵。「西丹沢公園橋」をわたり、余裕を持って予定のバス(15:40)に乗車することができた。

★さて、今回の山行の「詰め」は、新松田駅の炭火焼鳥店yayaにて。穴場のお店や温泉選びなどは、中村さんに任せるのがふさわしい。今回も良さそうなところを調べておいてくれた。焼鳥、フライドポテトなど素材が美味しく、トータルでとても充実した一日になった。また西丹沢に来る時には再訪したい。

<行程>
大滝橋バス停8:55~マスキ嵐沢出合9:30~(準備)~入渓10:00~尾根~箒沢権現山13:30~(沢装備解除)~下山開始14:05~西丹沢ビジターセンター15:10

<メンバー所感>
○鹿内
マスキ嵐沢は行きたい沢のひとつだったのですが、想像以上に美しく癒されました。何度でも行きたいです。
○中村
とてもきれいな沢で楽しめました。また、メインロープを利用した支点構築も実践することができました。
○秋永
体力的にも技術的にも、ちょうどよいハードさで、最高に楽しめました。今回はリードに挑戦できなかったので、もっと経験を積んで、勘七ノ沢や水無川本谷などに無理なく行けるようになりたいです。

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