応用ステップ「カモシカ山行」として、西丹沢ビジターセンターから畦ヶ丸、菰釣山を経て石割山までを夜間山行した。
新松田駅発15時45分のバスに参加者4名全員が乗車して集合場所である西丹沢ビジターセンターに17時前に到着した。
昨年の同時期に実施したカモシカ山行(⇒ 2023/6/3~6/4 雲取山~三峰山)には9名の参加者がいたが、今回は少人数での山行となった。
小林Lから今回の山行についての説明後、17時20分から山行を開始した。
今回は、小林Lが最後尾を歩き、それ以外のメンバーが約1時間交代で先頭を歩くこととなった。
最初は沢沿いを進むルートで、時折雨粒が落ちてきたものの雨具を着用する程ではなく、当初の予定どおり暗くなる前に通過することができた。
19時過ぎ、「善六ノタワ」を通過したあたりから足元が見えにくくなってきたため、ヘッドランプを点灯した。
畦ヶ丸(1292m)には19時47分に到着した。この頃から、雨の降り方が強くなってたことから畦ヶ丸避難小屋にて休憩を取り雨具を着用した。2020年に建て替えられ、山岳公衆便所も併設された大変手入れの行き届いた避難小屋だ。
畦ヶ丸避難小屋を出て、モロクボ沢ノ頭方面に行くべきところ分岐地点であることを失念してしまい、目の前の登山道をそのまま左の大滝沢方面に行きかけてしまった。今回の山行では、スマホの地図は使わず地形図とコンパスで行動していたが、要所での進行方向の確認を怠ったことによるものであり反省したい。
この時点では、雨は止んだものの気温が下がり霧が出始め、視界がかなり悪い状況となっていた。行程の全体を見ると畦ヶ丸までの約750mを登りきった後も急な登りや下りだけでなく、痩せ尾根で左右が切れているような箇所もあり、足元に気を配って歩く必要があった。
城ヶ尾山を過ぎたあたりから雨が強くなり始め、また霧で視界も悪くなっており、ポイントごとにコンパスを合わせ、進行方向を確認しながら進んだ。また、登山道を外れていないか足元の地面の固さを確かめながら進んだ。
山伏峠を過ぎた4時頃から空が明るくなり始め、また雨も止んで視界も良くなってきた。山伏峠から石割山分岐までは急な登りとなっており、この時点で11時間以上歩いてきた体には結構つらいものであった。
石割山分岐から今回山行の最高地点(1440m)を経て石割山に登頂した。
山頂で小休止した後、石割山の八合目にある石割神社に立ち寄った。この神社はご神体が大きな岩となっており、真ん中が割れている。その割れ目を時計回りで3回廻ると願いが叶うということで、小林L以外の3人が実際に廻ったが、メタボでお腹の大きな方は通れないのではないかと思われる狭さであった。
石割神社から石割山登山口までは最後に403段の階段があり、これを下って7時過ぎにゴール地点に到着した。
その後は、石割山ハイキングコースから富士山駅まで富士急バスに乗り、午前10時から営業している「富士山溶岩の湯 泉水」まで歩き、疲れた体を癒した。
<行程>
西丹沢ビジターセンター17:20~善六ノタワ19:00~畦ヶ丸避難小屋19:50-20:30~モロクボ沢ノ頭20:50~城ヶ尾山22:30~菰釣避難小屋0:00-0:30~菰釣山0:55~大棚ノ頭巻道分岐3:50~山伏峠4:15~石割山分岐5:00~石割山6:20~石割神社奥社6:40~石割山登山口7:10
<メンバー所感>
○山本
カモシカ山行初参加で行く前から不安におもうことがたくさんあったが、メンバーのサポートのおかげで予定通りにこなせてうれしい。
始終霧か雨であった。霧の中では前を行く中村さんが切通しを通っているように見える。痩せた尾根のはずと思いなおし足元に注意して歩を進める。もうじき避難小屋と知るやいなや、石の壁は白亜の建物の壁にみえてくる。もう着いたか、と思うが幻視である。
真夜中を過ぎたあたりから蛾がたくさんでてくる。白いきれいな羽とオレンジに光る眼をもった蛾もいて見入ってしまった。顔の周りを飛ばれると口の中に鱗粉が入ってくるので要注意だ。
夜明け前に鳥のさえずりが聞こえ始め、そのうち大合唱となる。無事に朝を迎えられてよかった。
湿度が高いせいで喉がカラカラになり、控えめに飲みつつも2.5Lを飲み干した。
足裏の感覚が敏感になった。すこしでもフカフカを感じると立ち止まり、踏み固められた道を探す。ヘットライト無しで行くともっと楽しいかもしれないと思った。また行きたい。
○中村
昨年に引き続き2回目のカモシカ山行への参加であったが、今回は夜、雨、霧という悪条件の中での山行をしたことで、地形図とコンパスの有用性を実感した。今回も地形図にルート及びポイントごとの標高を書き込んではいたが、今後は事前に地形図を読み込むととも実際の山行中に必要な情報をより多く記載し、誤ったルート選択をしないよう気を付けたいと感じた。
○橋本
丹沢といえば山ヒル。当日まで山ヒル対策をどうするかで頭を悩ませていましたが、当日リーダー小林さんから「いないと思うよ」と一蹴。なーんだ、良かった。山ヒルがいないとわかればあとは自分の体力、気力、眠気との戦い。
結果、体力は大丈夫でした。気力は途中睡魔で折れそうになりましたが何とか持ち堪えました。睡魔は3回訪れました。
はじめて夜通し歩く体験をして、視覚から入ってくる情報がない中で、人間が本来持っている五感をフル稼働させた気がしました。感覚的に生まれ変わったようでした。
最後に山行中いちばん怖かったのは暗闇に光るふたつの光。鹿ちゃんでした。