念願の雪洞泊!どうしても経験しておきたかった。満を持して企画。
完成した三つ星ホテル級の雪洞。白毛門をバックに記念撮影。
■3/2(土)
11:15にベースプラザ集合。積雪量は190cmで、400cmを超えていた一昨年に比べ、だいぶ少ないことがわかる。今回は1年前の先輩たちの記録(⇒ 2023/2/4~2/5 谷川岳・西黒尾根(雪洞泊))を参考にした。鉄塔まで登り、その後1,100m付近までに適地を見つけようと決めた。さぁ、無事に見つかるだろうか。
11:40頃、西黒尾根登山口を目指して出発。
登山口付近の林道沿いで、雪を掘っている2名を発見。彼らも雪洞泊のようだ。
そこからすぐに斜面に取り付けばよかったのだが、林道沿いのトレースをたどって進むうちに、3つほど谷地形を越えた。斜面側から落ちてきたであろう硬い雪の塊がゴロゴロ転がっていたりして、慎重に通過。小雪混じりの風が吹く。なんだか嫌(?)な気がしてきた。だいぶ長く歩いてしまったな・・・と地図(携帯のGPS)を確認したら、完全に行き過ぎてしまっていた。巌剛新道のほうにかなり近づいているではないか!
道間違いを反省し、引き返す。写真を拡大するとゴロゴロの塊が見える。
12:45頃、ようやく西黒尾根の末端へ。トレースも無いので適当に登りやすそうなところから取り付き、少しトラバース気味に登っていった。
途中何回かプローブで積雪深を測るも、50~90cmと浅すぎて、これでは雪洞泊にならない。今晩の宿は本当に見つかるのだろうかとドキドキ。
尾根に上がり、引き続き道を開拓していく。鉄塔に着いたのが13:30頃か。さすがにそろそろ適地を見つけようと仕切り直して、その先の広い尾根に出てみると、充分な吹き溜まりを発見!
プローブを差してみると220cmだ。その場所に決めた。
14:10、掘り出し開始。いくつか気付いたことを振り返る。
◯積雪の様子:昨日の新雪が30~50cm程積もっており、その下には雨で濡れたと思われる層、ガリガリの硬い面、しまり雪の層、そして2月の雨と思われるグズグズのざらめ雪の層で成り立っていた。
◯本来は斜面をL字型に切り出して入口を平らにすべきだったのだが、最初に奥に深く掘っていってしまったため、しばらくの間、中で1人しか作業できなかった。その間、鹿内さんには快適なトイレを作ってもらった(翌朝、このトイレは一般道の鉄塔から丸見えで、使えなかった)。
◯スノーソーでダイヤ状に切り込んで、綺麗に雪柱を取り出せると気持ち良い。
◯天井と地面の成形は難しい。天井を削ると足元に溜まり、エンドレス作業になりそうだった。
◯登山道の真横で傾斜の無いところに作ったため、掻き出した雪を斜面から落とすことができず、苦労した。その分、入口両脇にブロックを積んで、風よけ付きの通路を作った。
17:10 3時間もかけて、快適な雪洞が完成した。横250cm・縦200cm・高さ100cm・入口幅50cmだ。
日没後に外から見た様子。夕飯は、青栁さん特製のクラムチャウダーを美味しくいただいた。
就寝前の様子。
<テントに比べて、雪洞泊の良いところ>
・中は風の影響を受けない、静寂
・冷え込みすぎない、モノが凍らない、結露しない
・水などをこぼしても、下は雪面なのであまり気にならない
・ろうそくを灯すと、暖かく感じる
■3/3(日)
翌朝は4:30起床。2時間後の6:30発のはずが・・・
お湯づくり・トイレ(一般道横で早朝から登山者がおり、潰す前の雪洞のなかで用を足すことに(苦笑))・雪洞崩し・アイゼン装着などしているうちに7:15になってしまった。
7:45ベースプラザに帰還。その後徒歩で土合橋に向かい、基本ステップ講習(緊急避難(低体温症対策))に合流した。
今回は時間をかけたので、とても快適な雪洞泊となった。今後、緊急避難の際にも落ち着いて行動できるようにしていきたい。